京大 国際学術賞を初創設 未来のノーベル賞候補表彰
2025.10.16
イベントで受賞者が発表された
授賞対象は、国際的に傑出した業績を挙げつつある50歳未満の研究者だ。受賞者は京都に招へいされ、記念講演を行うとともに京大の学生・教員との学術交流に参加する。京大によると、受賞者と次世代研究者の交流により、研究の更なる発展につなげる狙いがあるという。
今年度の分野選定の理由について、京大は本紙の取材に、ノーベル生理学・医学賞の発表と時期を合わせて同分野からの受賞者を発信することで、賞の創設を広く認知してもらうためだと回答した。今後は概ね年に1度、人文・社会科学および自然科学の全分野から選考する予定だという。
10月4日、がん免疫総合研究センターで開かれたイベント内で、京大は受賞者を発表した。受賞したブラングウィン教授は、細胞内の区画が「液―液相分離」という原理によって仕切られる場合があると突き止めた功績が評価された。パーキンソン病やアルツハイマー病、ALSの解明への貢献が期待される発見だという。選考委員を務めた医学研究科の髙橋良輔名誉教授は記者会見で、発見そのものの重大さを強調しつつ、「病気の解明につながりうるという点でもプラスに評価した」と述べた。2026年4月中旬、百周年時計台記念館にて、授賞式とブラングウィン教授による記念講演が行われる。
ノーベル賞受賞者も登壇
受賞者発表があったイベントには、ノーベル賞受賞者5名が参加し、若手研究者とノーベル賞受賞者によるポスターセッションや講演も開催された。
2022年にノーベル生理学・医学賞を受賞したスバンテ・ペーボ教授は基調講演を行った。ホモ・サピエンスと他の絶滅した人類の関係に迫る講演内容に、参加者は熱心な様子で耳を傾けていた。
