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霊長研サル、ウイルスによる計50匹の大量死

2010.11.22

京大霊長研にて2001年から今年4月にかけて、原因不明の死を遂げた計50匹のニホンザルの死因がSRV-4(サルレトロウイルス4型)というウイルスによる血小板の極度な減少にあることを京大は11日に発表した。

SRV-4は骨髄細胞を傷つけて、傷口の血液を凝固させる効果のある血小板をほぼゼロまで減少させる。今回の発表は7月に霊長研が依頼した外部の調査機関を受けて行われた。感染原因は、自然界で同居することのない東南アジアに主に存在するカニクイザルとニホンザルを同じ場所で飼育したことによる。唾液やフンを介しての感染の可能性が高い。

東南アジアに生息する一部のカニクイザルはSRV-4ウイルスに自然感染しているが無症状であるので、今回の大量死はニホンザルに特有の感染症であると考えられる。また、霊長研で長くニホンザルの飼育などに関わってきた飼育員にも感染は見受けられていないことから、ヒトへの感染の可能性は極めて低いと考えられている。