ニュース

京大病院 脳神経治療 センター開設 iPS細胞移植も予定

2025.10.01

京大病院 脳神経治療 センター開設 iPS細胞移植も予定

記者会見で新センターについて説明する村井俊哉教授

京大病院は10月1日、パーキンソン病やてんかんなどの脳神経疾患を総合的に扱う「脳神経治療創発センター(CiSNeuro)」を設置した。脳神経疾患の患者に高度な検査と治療を施すとともに、診療科と研究機関が連携して新たな治療法の開発を目指す。センター長には医学研究科の村井俊哉教授が就任した。

センターには、京大病院の精神科神経科・脳神経内科・脳神経外科と、病院外の研究機関である医学研究科脳機能総合研究センターおよび京大iPS細胞研究所が参画する。村井教授によると、各診療科の長の関心が一致したためセンター設置に至った。3つの診療科が一体化することで、従来以上に患者個人に合った対応ができるようになるという。また、2つの研究機関が臨床現場と密接に関わることで、最先端の検査法や治療法の開発・提供がしやすくなるという。

センターでは今後、海外では普及が進む治療法について日本での承認に向けた取り組みを進めていくほか、世界最高水準の超高磁場MRI装置を用いた臨床研究や、脳梗塞患者の脳にiPS細胞を移植する治験も計画している。記者会見で髙折晃史院長は、センターについて「1つの疾患に対し、複数の科での診療から新たな治療法の開発・提供まで、障壁無く行える点が強み」と強調した。また、脳神経外科の荒川芳輝診療科長は、脳神経疾患の治療法開発において日本は海外に遅れをとっていると指摘し、「センター設置をきっかけに、世界に先駆けた治療を京大から発信していきたい」と意気込んだ。