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工学研 電気系・化学系専攻を再編へ 情報技術・学際知もつ人材を育成

2025.09.16

京大工学研究科は、2026年度に電気系・化学系の専攻を1専攻化し、現行の5学系17専攻を5学系11専攻とする。電気系では、大学院生の入学定員を25人、研究室を4増やし、高度な情報技術を持つ専門人材育成を推進する。電気系再編の背景には、文科省所管の大学改革支援・学位授与機構が統括する助成事業「高度情報専門人材の確保に向けた機能強化」の助成金が10年間交付されることがある。化学系では教育組織と研究組織を切り分け、基礎教育の深化と学際研究の活性化の両立を狙う。

電気系の電気工学専攻と電子工学専攻を「電気電子デジタル理工学専攻」に統合する。同専攻には、現行の電気系2専攻に対応する研究領域に加え、「デジタル・グリーン領域」を新設する。電気・システム・生体工学、光・電子・量子という従来の研究分野にデータサイエンスやAIの視点を取り入れることで、物理・数理に基礎を置きつつ情報技術を活用できる専門的な人材を育成することが目的だ。

化学理工学専攻は、従来の6専攻を統合し、教員組織である「講座」数を21から10へ再編する。統合により専攻間の垣根をなくしたうえで、教育組織である「トラック」と研究組織である「領域」の区分を設ける。各専攻に散らばっていた「物理・量子化学」や「有機化学」などの学問分野に対応する6つの「トラック」と、分野横断的な研究を行う「材料・分子システム化学」や「生医工化学」など4つの「領域」を置く。

1つの領域には、5~20名の教員からなる研究組織である「研究モジュール(RM)」が複数置かれる。社会課題の変化に応じて研究体制を臨機応変に組み替えるため、領域とRMは専攻教授会や研究企画会議での審議を経て3~6年のスパンで改編される。同専攻修士課程に入学した学生は1~2つのトラックを選択し、各トラックが提供する専門科目を履修する。同時に学生は領域とRMに所属し、RMが提供する講義を受けながら、自身のトラックとは異なる専門知識を持つ学生や教員と共同で研究を行えるという。

なお27年には、化学系専攻への進学が想定されている工学部理工化学科において、2年次のコース分けを廃止する。学部2年の時点で選んだ専門分野の研究を大学院まで続ける従来の方式を見直し、学生がより広範な分野の専門知識を習得したうえで、研究分野を決定するよう後押しすることを狙う。