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文・東館の学生自治空間に移転要求 京大「地震による倒壊を危惧」

2025.08.01

文・東館の学生自治空間に移転要求 京大「地震による倒壊を危惧」

現在の文学部東館

7月16日、京大は文学部自治会の学友会に対し、今年度中に文学部東館から退去し、文学部の他施設へ移転するように文書で要求した。東館には、学友会が自主管理を行う文学部学生控室(ブンピカ)や学友会BOX、3つのサークル部屋があり、学内外を問わず様々な人が利用している。京大は移転理由として、南海トラフ巨大地震の発生による倒壊リスクの高まりを挙げ、学友会に9月30日までの回答を求めている。

京大は移転先として、総合研究2号館地下の第12演習室と、文系学部校舎地下にあるサンクンガーデン(テラス席)階段下の倉庫を提案した。部屋の運用方法は学友会に一任するという。また、京大が部屋の鍵を管理し、緊急事態の発生時には、安全の確保と財産の保全の観点から「鍵で入室することがある」とした。加えて、移転後は東館の居室としての利用を禁止する。物品の収納とその出し入れでの一時的な立ち入りは当面の間認めるが、居室利用が判明した際には「注意の対象」になるという。

16日には、文学部長の出口康夫教授らが、学友会に対して説明会を開いた。「文学部としてはブンピカや学友会BOXの機能が重要な問題と理解している」としたうえで、「機能をできるだけ維持できるよう、様々な調整を重ねてスペースを捻出した」と述べ、学友会に移転への理解を求めた。

本紙の取材に対して京大は、2021年に公開した資料内で、東館は取壊予定だと記載しており、これは「全学の会議で決定した」と回答した。跡地の利用計画は未定だという。取り壊しに要する予算は確定していないといい、具体的な計画の明言はしなかった。また、今年6月に東館の入口やブンピカ付近にあった物品を撤去したと明かし、その理由を「地震などが発生した際に、物品の倒壊で通路が塞がってしまう危険があるとの指摘があったため」だと説明した。中庭に設置されている喫煙所に関しては、「受動喫煙を防止する観点から、講ずべき措置等が必要となる場合は学内にて調整を図る方針」だと述べた。

文学部東館は1936年に建設された。京大によると、現在、授業の実施されている教室や研究室はなく、物品を保管する「一時的な貸出しスペース」として利用しているという。東館の移転計画は2002年と07年にも浮上したが、いずれも実施されず、現在まで使用が続いていた。

学友会「確認書」提出へ


学友会は7月31日、ブンピカで東館退去に関する説明会を実施。東館で活動するサークルの関係者など、約30名が参加した。説明会では、学友会は9月初旬までに大学に「確認書」を提出予定だと明かし、その原案を共有した。移転先の面積は従来の5分の1程であり、参加者からは「移転先では、東館で実施していた活動を継続できない」といった、大学の移転案に懸念する声が多数寄せられた。今後、学友会はビラ「東館通信」の発行や、今回のような会議の実施を通して、移転要請に関する周知を図りつつ東館利用者の声を集め、大学と交渉していくという。