訃報 松本紘元総長 82歳で死去 研究・教育の「改革」に尽力
2025.06.16
17年前に本紙の取材に応じる松本総長(当時)(本紙08年10月1日号)
松本氏は1942年生まれ、奈良県出身。67年に京大工学研究科修士課程を修了後、工学部助教授、生存圏研究所教授・所長などを歴任した。2007年には京大名誉教授に任命された。専門は宇宙電波科学で、人工衛星に搭載する宇宙プラズマ波動観測装置の開発や、マイクロ波を用いた宇宙から地上への送電技術の研究に力を注いだ。
大学運営では、05年〜08年に京大理事・副学長を経て、08年〜14年に総長を務めた。就任時、松本氏は本紙の取材に対し、総長の役割は「戦略、つまり方向性を示すこと」と述べ、総長主導での大学運営に意欲を示していた。在任中は国立大学法人化に伴う「改革」を進めることを強調し、若手研究者の自由な研究を奨励する「白眉プロジェクト」の立ち上げ(09年)や、大学院総合生存学館の設置(13年)などに携わった。一方、全学共通科目の企画・実施を一元的に担う国際高等教育院の設置(13年)をめぐっては、人間・環境学研究科などの教員らから反対の声が上がり、教員有志が松本氏の辞職を求める署名を提出した。その他、在任中の13年〜14年に国立大学協会長を、総長退任後は15年〜22年に理化学研究所理事長、18年から国際高等研究所長を務めた。
湊長博総長は16日、京大のHPで「国立大学法人化以降、大学を巡る環境が激しく変動する中で、様々な研究・教育の改革を実行されました」とコメントし、松本氏を追悼した。
