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京大 米留学生の受入表明 学費・宿舎の支援せず

2025.06.16

6月17日、京大は学修の継続が困難になった米国の留学生を、聴講生や科目等履修生などとして一時的に受け入れる方針を本紙に示した。トランプ政権下で、留学ビザ取得に関する面接の新規受け入れが停止したことを受けたもの。京大によると、受け入れの可否は個別に判断し、学費や宿舎について特別な支援は行わない。米国の若手研究者を特定助教として受け入れることも検討している。

京大は、米国の留学生を聴講生など「非正規」学生として学期単位で受け入れ、所属大学における学修再開まで一時的な支援を行う。受け入れの可否は、学生の希望と各部局の収容能力を加味して個別に判断する。工学研究科では、長期的な学修・研究の場を求める学生に転入学の機会を提供する可能性があるという。所属大学での学修の継続支援を行うほか、生活やメンタルケアに関する支援を英語で提供する。

京大は「米国の大学に在学中あるいは入学予定の日本国籍の方および日本の在留資格を保持する方」も対象とする方針を示した。また、京大は大学間学生交流協定で米国に留学予定であった京大生に対して、本人の意向を確認して留学先を変更するなどの支援を行っていると回答した。

また、米国の大学や研究機関に所属する研究者への対応について、京大はポスドクまたは助教に相当する「優秀」な若手研究者の受け入れを検討していると回答した。研究業績などを勘案したうえで、受け入れる場合は特定助教として雇用し、赴任旅費や研究費などの支援、研究場所の提供を行うという。

5月27日の記者会見にて、阿部文科大臣は米国の留学生受け入れについて、日本の大学へ可能な支援策の検討を依頼していると述べた。文科省が所管する日本学生支援機構のサイトによると6月19日までに117大学が支援策を表明している。本紙が京大にトランプ大統領によるハーバード大学の留学生の受け入れ認定の取り消し措置に関する見解を尋ねると、京大は「お答えすることはない」と回答した。