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学生総合支援機構に新部門 教員の学生対応を支援

2025.05.16

学生総合支援機構に新部門 教員の学生対応を支援

本部構内に開設したディスアビリティ・インクルージョンセンター

京大は3月に学内規程を改正し、学生総合支援機構にコンサルテーション部門を設置した。悩みを持つ学生への対応に苦慮する教職員を支援するとともに、教職員全体の対応の技術を底上げすることを目的とする。コンサルテーション部門は、各部局への精神科医やカウンセラーの派遣や教職員全体へ学生からの相談に関する研修の提供を通して、教員の対応を支援する。

京大は、2022年4月に学生総合支援機構を設置した。機構に属する学生相談部門が吉田本部・北部・吉田南・桂・宇治の5か所に相談窓口を設置して、学生からの相談に対応してきた。

京大によると、新部門設置の背景には、教室や研究室において教職員が学生からの相談に対応するべきケースが増加したことがある。同部門の拠点は吉田キャンパスに置き、吉田・桂・宇治キャンパスの事案を担当するという。

コンサルテーション部門は、部局での組織的な対応も支援する。「教育研究環境の安全性が損なわれる事態」が生じ、組織的な対応が必要となった場合、学部・研究科の対応チームにカウンセラーや精神科医を派遣する。なお、個別の対応で効果を上げられると見込める場合には、従来どおり学生相談部門で教職員を対応する。

研究成果を還元


京大は3月の規程改正で、地域社会との積極的な連携・協働により障害分野に専門的かつ先進的な技術を導入し、障害学生支援の強化及び充実を図るために、ディスアビリティ・インクルージョンセンターを開設した。機構内の障害学生支援部門で得た知見を社会還元し、そこで得た知見を再度大学で活かし、研究成果の循環を目指す。

センターでは、初等中等教育から高等教育にかけての移行支援・高等教育における修学支援や就労支援などを研究する。京大は本紙の取材に、基本的にはセンターのスタッフが担い、必要に応じて障害学生支援部門に所属する学生サポーターの協力を得ると回答した。