教育改革戦略本部が新設 「教育上の複合的課題」解決狙う
2025.04.16

教育改革戦略本部に関する組織図(編集部で作成)
戦略本部では、教育改革による成果の分析や評価、全学共通教育の充実を狙った業務も行う。戦略本部長は、総長が2年以内の任期で京大の理事・教職員の中から指名する。
戦略本部は教育改革会議、教育改革企画室、高大接続・入試センターの3つの組織から成る。会議では、企画室で立案された事項の審議を行い、決議には出席者の過半数の賛同が必要となる。会議には企画室長やセンター長、教育や学生、入試担当の理事らが出席し、戦略本部長が議長を務めるという。また、高大接続・入試センターでは、学生の高校教育からの円滑な学びの移行を支援し、入試の在り方などを研究する予定だ。
教育改革に関して、京大は昨年5月に教育会議要項を制定し、研究科長部会の下に特別委員会として教育改革会議を設置した。11月の部会では、この会議で戦略本部の設置に向けた議論が行われていると報告されていた。
卓越大申請と関連か
戦略本部は総合研究推進本部・成長戦略本部と同じく、事業推進組織に所属する。推進本部と成長戦略本部は、共に昨年度に設置されて連携を図っている。湊総長は1月9日の記者会見で、卓越大への認定は、人への投資のための資金獲得に向けて重要な意味を持つとして「本気で応募申請をする」と意気込んだ。なお卓越大とは、国際的に卓越した研究を行い、社会に変化をもたらす研究成果が期待されるとして国が認定する大学のこと。本紙は、戦略本部の他組織との連携の有無や、今回の設置と卓越大申請との関連性を京大に質問し、回答を求めている。