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京都で製作の『羅生門』など上映 「日本のハリウッド・京都」撮影所特集

2025.04.16

3月20日から4月30日にかけて、京都文化博物館(中京区)にて「『日本のハリウッド・京都』撮影所特集」が開催中だ。『羅生門』(1950)や『忠臣蔵』(1910)といった京都で製作された往年の名作18作が、毎日1本ずつ上映されている。

企画名は、京都のご当地ソングとして1930年に発表された「京都行進曲」の中の「今ぢや日本のハリウッド」という歌詞に由来する。博物館の学芸員・森脇清隆さんによると、大正から戦後期にかけ、京都には太秦を中心に映画の撮影所が16か所も存在し、60年代までに日本で公開された映画の45%ほどを製作していた。また、京都で製作された映画は、1919年創刊の映画雑誌「キネマ旬報」が発表する年間トップ10に選出されることが多く、「優秀だと評価されていた」という。

京都で映画作りが栄えた理由を、森脇さんは「京都には昔から先取の気質があったうえ、京都の人は新しいものや面白いものを頑張って作るのが好きだからではないか」と睨む。「映画も京都の文化の1つ。今回の特集を通して、京都で映画が栄えた理由を更に探り、その成果をVRを用いた映像技術などの次の産業にも活かしたい」と願った。

「今回の上映作は若い人が作ったものが多いので、年齢の近い大学生なら感覚を共有しやすいはず。面白そうやなと思ったらとにかく観て、自分の感覚を研ぎ澄ましてほしい」とも語った。チケットは一般が500円、大学生は400円、小中高生は無料。