学習管理システム「PandA」廃止へ 26年に新システムへ移行予定
2025.05.16

パンダは13年度に試験的に導入されたLMSで、授業資料の配布、授業連絡、課題提出などに用いられている。19年度にはパンダを利用する授業の割合は11%にとどまっていたが、コロナ禍に全学的な提供を開始したため、20年度には前年度の5倍以上の授業科目で利用された。京大は、感染症の収束後も「依然として高い利用率となっている」と説明する。
一方、年度始めにアクセスが集中してパンダが開けない事例が発生するなど、課題も多い。パンダを運営する情報環境機構は22年に「ICT基本戦略2022」を作成し、全学のICTによる教育支援体制を一元化するためにLMSを整理する方針を示した。これを受けて京大は23年度から新LMS開設についての検討を開始した。検討の際、23年度には「今後のLMS検討ワーキング・グループ」を、24年度には全研究科の教職員を含む「LMS管理・運用検討委員会」を設置し、全学的な視点からの検討を行っていた。また、同年11月には教員を対象に、パンダの利用頻度や操作性などについてアンケートを実施。操作性を改善し、アクセス集中への対応を強化することを決定した。
今後、授業におけるパンダの利用は26年1月末まで継続し、2月からは新LMSを運用する予定だ。27年2月末まではパンダは授業とは連携せずにデータ移行期間として運用されるが、この期間に過去の授業資料をダウンロードすることは可能だという。
本紙の取材に対し京大は、「新LMSへの移行に当たっては学生の不便にならないよう配慮する」とし、「全学の教育改革の動きとも連携しながら引き続き検討を進めていく」と答えた。新LMSの呼称はまだ決まっていない。