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マクドナルドハウス京都 開設準備進む 京都マラソン チャリティーランナー出走

2025.02.16

マクドナルドハウス京都 開設準備進む 京都マラソン チャリティーランナー出走

チャリティーランナーの集合写真

病気と向き合う子どもとその家族のための施設である「ドナルド・マクドナルド・ハウス 京都(京都ハウス)」の開設に向け、2月16日、チャリティーランナー42名が京都マラソンに出場した。開設への募金に対する地元の認知や支援の拡大が狙い。

ドナルド・マクドナルド・ハウスとは、ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ(DMHC)財団が世界各地で運営している施設のこと。国内には既に12のハウスがある。京都ハウスでは、京大病院と府立医大病院に通う患者とその家族を対象として、2026年秋に開所予定だ。

チャリティーランナーには、京都府の西脇知事や京大病院の医師2名、府立医大病院の関係者3名の他、マクドナルドのスタッフ13名などがいた。マラソンのスタート前には、一部のチャリティーランナーが「Team DMHC」のユニフォームを着用して集まり、記念撮影が行われた。

チャリティーランナーの一人で、消化管外科医として京大病院に勤める小濵和貴さんは、5時間40分ほどで完走した。本紙の取材に対し、「チャリティーでもあるので絶対完走しないといけないと思っていた」と話し、無事に完走できて良かったと振り返った。また、京大病院では入院が長期化する子も多いため、京都ハウスのような施設を「絶対に必要だと思っていた」と述べ、計画が進行していることを「本当に嬉しく思う」とコメントした。

マラソン前日の15日には、ランナーの受付会場であったみやこめっせに、Team DMHCのアンバサダーを務める俳優の石田ひかりさんが来場し、トークショーを実施した。今までの寄附に感謝した上で、「あと少しで建設にありつける」と、さらなる寄附を呼びかけた。またトークショー後には、会場内のブースで30分ほど募金活動を行った。石田さんは弊紙の取材に対し、「ハウスに心を寄せてくれる方が多くて、本当にありがたい」と述べ、京都ハウス完成後には「ぜひ伺いたい」と語った。

昨年2月7日に、京大病院と府立医大病院は、4億円を目標額として、京都ハウス開設のための募金活動を開始した。当初の計画では、募集期間は今月までの1年間。ハウス側のサイトによると、今年2月19日時点で、募金総額は目標額の88%にあたる3億5500万円を突破している。

募金活動に取り組む石田さん



日本新薬が寄附 府庁で感謝状贈呈


日本新薬株式会社は1月10日付で1千万円と、絵本17冊を京都ハウスの開設募金委員会に寄附した。この寄附を受け、2月6日には京都府庁で、西脇知事らが同社の中井社長に感謝状を贈呈した。

今回寄附された絵本は、いずれも同社が「日本新薬こども文学賞」の最優秀賞受賞作品を元に制作したもの。ハウス側によると、京都ハウス内の図書室に配架予定だという。

贈呈式には、府知事や同社社長の他、京大病院の髙折病院長と府立医大病院の佐和病院長も出席した。まず、社長が知事と両病院長に1冊ずつ絵本を手渡し、その後、知事と両病院長がそれぞれ社長に感謝状を贈呈した。

式後、中井社長は寄附を決めた理由を「京都に本社がある製薬会社として、病気に立ち向かう患者や家族の役に立ちたかった」と説明した。また、絵本が「家族とリラックスして、ハウスに滞在する役に立てば」と願った。

左から順に佐和病院長、中井社長、西脇知事、髙折病院長=京都府庁内会議室