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京大 チャットBOT公開 般教の履修を手助け

2024.11.16

国際高等教育院は9月27日、ChatGPTを用いたチャットBOTである、全学共通科目BOT及びILASセミナーBOTを公開した。これらは、ChatGPTの生成AI技術を用いて、あらかじめ学習した授業情報などをもとに、テキストで入力された全学共通科目に関する質問に答えるものである。国際高等教育院は、これにより学生の興味関心に沿った科目履修をサポートできると期待する。ただ、単位取得率や試験・レポートに関する質問の回答を禁止するなど、回答できる事項につき一部制限も設けられている。

京大によれば、年間開講される全学共通科目は約3千に上り、学生アンケートでは「学期始めに履修科目を考える時間が足りない」という声が複数寄せられていた。そこで、国際高等教育院院長の大嶋正裕・特定教授が、全学共通科目窓口と共同でチャットBOTを開発した。開発費用はChatGPT Plusの利用料金(月額約3千円)のみだという。

チャットBOTが学習し、利用できる情報として、シラバスや全学共通科目履修の手引き、過去の問い合わせ履歴がある。一方、各授業の単位取得率については、データが京大のホームページで公表されており、計算を行えば算出できるにもかかわらずチャットBOTには学習させていない。また、「単位取得率」や「単位の取りやすい科目」に関する質問についての回答も禁止されている。その理由につき京大は、「『単位取得率』が『単位の取りやすい科目』に直結するとは考えていない」とした上で、単位は学習成果を評価する重要な指標であるとの観点から、「教育上の方針」で回答できない設定にしていると説明した。これに加え「数値データが第三者に利用され、不適切な解釈がされることを防ぎたい」考えもあるという。なお、教員や学生の個人情報は、個人情報保護の観点から回答できない設定。

BOTには国際高等教育院のホームページからアクセスでき、無料版ChatGPTのユーザーでも利用できる。なお、京大はチャットBOTが一般的な情報を取り込んで答える場合があるため、「重要な情報はクラシスや国際高等教育院Webサイトなどで確認してほしい」と呼びかけている。