脳科学から芸術作品へ 身体と視覚に与える「ずれ」(2010.03.16)

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2月17日、医学部人間健康科学科(京大病院西構内)にて京都市立芸大、京都大学からなる制作チームが脳と体の軸、視覚の関係を題材とした作品の制作実験を行った。この取り組みは、京都国立近代美術館(京都市左京区)で今夏開かれる展覧会「Trouble in Paradise・生存のエシックス」に向けた作品制作の一環。

実験は、まず携帯型の脳血流測定装置を頭に装着した被験者が円盤状の板に乗り、この板を回転させることによって、バランスを保とうとする被験者の脳がどういった活動をするか調べる。この板は水平から2度傾いており、これを回すことによって回転の軸、すなわちその上に乗る被験者の体軸は様々な方向へ傾くことになり、平衡を保つのは難しい。そのため、被験者は板やスクリーンに張られた直線のテープを目印にしたり、4方向から映し出される自分の姿をスクリーンから確認したりしてバランスを取ろうとする。得られた脳活動のデータは解析して今後の作品制作に活かしていくという。制作者の一人、高橋悟准教授(京都市立芸術大・構想設計専攻)は、「宇宙飛行士の若田光一さんが宇宙滞在中、自分の立ち位置は船内の壁を見て基準にしており、見る壁を変える際にある種の感覚がある、と語ったことに着想を得た」といい、「板が水平から『ずれ』ている2度が視覚と身体・体制感覚の関連性に『ゆらぎ』を与え、近代が造り上げた身体性を打破できるような、宇宙、医療、芸術の複数からアプローチした作品になれば」と話す。

今夏の展覧会では円盤の直径をさらに広げ、来場者もその上に乗って『ゆらぎ』を体感できる予定。(鴨)

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