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有期雇用に「NO!」 大学非正規職員らが集会

2010.03.12

2月27日、大阪市内の大阪府立労働センタ―(エル・おおさか)にて「なんで有期雇用なん!? 2・27大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会」が開催され、関西圏の大学有期雇用労働者ら約100名が参加した。主催は2・27緊急集会実行委員会。

この集会の背景には私立大学では90年代から、国立大学では04年の法人化を機に、期限付きの非正規という雇用形態で採用される大学職員が増加している現状がある。こうした有期雇用のあり方に問題を感じた職員らの中には、労働組合を結成するなど、雇用期限の撤廃や非正規の地位向上を求める行動に出るものもいる。各大学でバラバラになるのではなく、横のネットワークが必要ではないかと、今回の集会が開かれた。
集会はまず関西学院大学で障碍学生のチューターを勤める大椿裕子さん(35)が「去年の3月に、京大で非正規職員が座り込みを始めたのを報道で知り、闘う人達が居るんだと勇気づけられた。同じ状況におかれている人達が集う場所をつくり、一緒に声を上げることで、一人で苦しむのではなく全体の動きで状況を変えていけたら」とあいさつ。

続いて脇田滋龍谷大学教授が基調講演をした。脇田氏は日本における非正規労働者の待遇は、同一労働・同一条件が原則の先進各国に比べて異常な状態であるとし、また 雇用期限をあらかじめ設けるのは、労働者の継続雇用に対する期待権を剥奪するのを目的とした脱法行為であるとした。そして、こうした現状を変えるには非正規労働者自身の連帯と行動が必要である」と語った。

その後は関西圏の各大学で行動に立つ非正規職員からの現状報告が続いた。京都大学時間雇用職員組合UnionExtasyの組合員は「最初は感覚的におかしいな、というのが1年間闘っているうちに、おかしさが明瞭になってきた。また非正規の大半は女性であり、女性差別の問題でもあると感じた」。大阪大学に法人化前から勤める非正規職員は「当面の間法人化前の人には適用しないとしていたが、ついに5年後には首を切られることになった。阪大のやり方はえげつなく、もう私が倒れるか阪大を倒すかだ」、精華大学嘱託職員組合SocoSocoは「仕事を一生懸命頑張る人ほど、首切り後の就職活動もママならず、期限が来たらサヨウナラ、でもそれまでは全力で働いてという大学の姿勢に憤りを感じた」 、龍谷大学経済学部に勤める特別任用教員助手は「雇い止めは教授会の決定なのだから組合がこの撤回を要求するのは学問の自由・教授会自治の侵害といわれた」と語った。さらには北海道大学や、東海圏の非常勤講師からも報告があった。

最後に「3月末雇い止め解雇を許さない!」「○年でくびルールは撤廃せよ!」など7項目を掲げた集会アピールを採択し、拍手のうちに集会は幕を閉じた。集会の発起人の一人でもあるUnionExtasyの組合員小川恭平さん(40)は「たくさんの人が参加してくれて、有期雇用がおかしいと思う人がいるんだ、と改めて分かり感動した。」と語った。

今回のアピールは集会のウェブサイト http://nandenan0227.blogspot.com/2010/02/blog-post_28.html で全文が公開されている。

本紙に写真掲載