吉田寮祭編集員体験記 ~鴨川レース~ヒッチレース~(2009.08.01)

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7月8日から14日にかけ「吉田寮祭・蝉」が決行された。例年は5月末に開催される寮祭だが、今年は大学からの新吉田寮建設提案をめぐる騒動などもあり、2ヶ月遅れの開催となった。

本紙編集部からも、2人の革命的戦士がこの寮祭闘争に猛然と決起した。寮祭闘争は密集する反革命と弾圧を闘いぬくなかで前進していく。これは世界の革命闘争の鉄の教訓である。我が同志はこの闘争の最前線の闘いに躍り出て、人民の圧倒的連帯を勝ち取り反革命徒党に革命的鉄槌を打ちおろした。彼らが切り開いた地平に次は諸君が続く番だ。秋に予定されている吉田寮祭第2弾で反革命解体の猛攻を叩きつけよう。いざ、戦場へ。(魚)

鴨川レース

例年コスプレ姿の出走者達が新京極や三条界隈をにぎわす鴨川レースであるが、今回の鴨川レースは諸事情によりコスプレなしで行われた。私も他の吉田寮生と同じく運動着で出走しようと考えていたのだが、上回生の編集員・魚さんが「コスプレは当然でしょー」と言い、なぜか私だけ婦人警官のコスプレをすることになってしまった。婦警の制服は膝下が露出しているのでスネ毛が伸びているのは不格好だという話になり、脱毛薬を使ってスネ毛を落とし、肌をツルツルにしたのだがこれがいよいよ変で、吉田寮から東大路通りへ出た瞬間、通行人の視線が突き刺さった。三条大橋に到着し、主催者から注意事項を聞いた後に入水する。橋の上から沢山の通行人がこちらを見ていて、こちらとしても俄然やる気になってくる。

そして、スタート。楽しい気分で走っていたのは最初だけで、すぐにどっと疲れが出る。足が鉛のように重く、一歩一歩が辛い。川の流れに逆らうということの恐ろしさを実感した。アメンボや変な黒い魚などを蹴散らし、ただひたすら進む。何度も転んでは全身泥水まみれになり、それでも前へ踏み出す。途中で大きな段差に差し掛かるが、疲れているうえに川の水が上から盛んに流れ落ちてきて上手く登れない。しかし、下に落ちたりすると石畳に体を強打し、大怪我をする可能性があるので必死に登る。さらには、水深が2メートルはあるだろう場所に差し掛かり、危うく溺れかけるがそこも必死に泳ぎ通す。途中、岸辺で遊んでいる親子沿いの前を通る。親の方は露骨に目をそらし、子供の方は汚いものを見る目でこちらを凝視している。私は悲しかった。私だって故郷に帰れば両親がいる。そういえば私も小さいころは両親に連れられ、弟と共によく近所の川で遊んだものだった。ザリガニやドジョウを取って家に持って帰ったりもした。家族の温かさに包まれながら川の生き物と戯れていたあの日の少年は今、異郷の地、京都で婦人警官の制服に身を包み、全身泥まみれになりながら、時折「うぅ」、「あぉ」といったうなり声をあげつつ、ゾンビのように少しずつ川を逆流していた。しまいにはとうとう靴が片方流された。だが、ゴールの鴨川デルタはすぐそこだ。かまわずに前へ進む。そして、ついにゴール。長かった。私の順位は15,6人中10番目くらいだったろうか。決して高い順位ではなかったが完走できただけで満足だ。私は鴨川デルタの岸辺に体育座りして空を仰いだ。それにしても、なんとまばゆい太陽だろうか。なんとあでやかに輝く青春だろうか。ああ吉田寮。心地よい時が流れる。(47)

ヒッチレース

吉田寮祭のヒッチレースとは、簡潔にいえばヒッチハイクで吉田寮までレースをすることだ。参加者は、金銭は一切持たず、ペンとノート、ペットボトルを手に車で4時間かけて何処かに運ばれ、そこから京都大学を目指すのだ。遠いところでは鳥取県に降ろされたりすることもあるという。今年の参加者は13人で、スタッフによると例年の2倍くらいだという。ちなみに、1位は同じ車に乗ってきた2名で、記録は7時間10分だった。今回、私はこの過酷なレースに参加することになった。

7月10日深夜、私は吉田寮生の車に乗せられ、夜のドライブに出発した。目的地はわからない。車は除々に人気のない山奥へ。そして最終的に放り出されたのは、大滝鍾乳洞という聞いたこともない観光地の駐車場だった。そこから走ったり歩いたりすること約1時間30分、どうやら自分が岐阜県にいることがわかった。しかし、私には岐阜県の土地勘などまるでない。とりあえず走るトラックなどに親指を立てて主張してみるが、まったく止まってくれない。30分後、やっとのことでミニバンに乗ったおじさんが止まってくれた。聞けば出勤途中だという。いわく、ヒッチハイクなんて初めて見たから。なんともありがたい話だ。そうして私は何とか美濃市へ。そこでも30分ほどで拾ってもらえた。

その後私は高速インターの手前で獲物がかかるのを待ったが、1時間たってもだれも止まってくれない。最終的に、往診中の歯科医師のお兄さんに乗せてもらった。お金がないことを話すと、「アルバイトする?」とのこと。私は昼食のために歯科検診の助手をすることになった。先生が「1から7までマル」とか言っているのをカルテに書きとめる役だ。そうしてお昼ご飯とジュースをゲットした私は、京都目指して親指を立てるのだった。

それからベンチャー企業の社長やボヘミアンなお姉さん、老夫婦に立て続けに乗せてもらうことに成功して、私は世の中捨てたものじゃないなあと思った。気持ち悪いほど順調に進んだ私は、気付けば滋賀県は彦根市にいた。そこから1時間ほど歩いて、仕事帰りの医療事務の仕事をしている男性の車で近江八幡まで来た。あと一息だと自分を励ましていると、スポーツカーの若いカップルが「乗りなよ」と言ってくれた。「どこ行くの?」と聞かれたのでダメ元で「京都まで」と言ってみると、なんとOKが出た。なんでも適当にドライブしていたとのこと。そのまま高速で気づいたら京都、そして吉田寮のすぐそこに到着。こうして、私の12時間にも及ぶヒッチレースは終わった。何か新しい世界を知ったような気がした。(書)

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