物語られる「慰安婦」の記憶 「ナヌムの家」上映会(2009.07.01)

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6月中旬から下旬にかけて京都大学の文、農、総合人間の各学部で、かつて旧日本軍の「従軍慰安婦」として被害にあったハルモニ(おばあさん)にスポットをあてたドキュメンタリー映画「ナヌムの家」三部作の連続上映会が開催された。主催は各学部の有志、共催は旧日本軍性奴隷問題の解決を求める全国同時企画。今回の上映会は1人でも多くの学生・市民にハルモニの一人の人間としての思いを知ってもらうことを目指し開かれた。

1990年代にはいってから韓国では元「従軍慰安婦」のハルモニたちが自らの被害体験を語り始めた。彼女たちに対する生活支援の一環として、92年に民間団体の支援で作られた共同生活を営なめる施設がナヌムの家である。ちなみにナヌムとは韓国語で「分かち合い」を意味する言葉。

このうち6月30日には、三部作の最終作となる「息づかい」(1999年)が総合人間学部1102講義室にて上映された。前作「ナヌムの家2(1995年)」でソウルから広州に移転したナヌムの家のその後と、フィリピンなど他の地域での日本軍による暴力の被害者にハルモニ自身が聞き取りを行なう試みが描かれた作品。印象的なのはハルモニたちがセラピーの一環として描いた絵画が映されたシーンで、それらは彼女たちが受けた体験の苦しみを何よりも生々しく物語っているようであった。また冒頭とクライマックスではハルモニの葬儀が描写されている。映画が製作された90年代後半の時点で既にハルモニたちの平均年齢は70代であった。彼女たちは「日本政府には早く謝罪してほしい、自らが犯した罪の非を認めて欲しい」と言い残しながらひとり、またひとりと亡くなっていくのである…。この現実は10年たった現在でも全く変わっていない。

映画上映後には実際に「ナヌムの家」を訪れた学生による報告もなされ、ワークショップ中に体調を崩してしまい横になっていたところを、ハルモニに励まされたことで情けなさを感じたり、彼女たちに被害体験を語らせることで、逆に苦痛を与えているのではないかと、複雑な心境になった体験を語った。この日会場には20名ほどが来場し、熱心に映画に見入っていた。全国同時企画では、11月29日にひとまち交流館・京都にハルモニを呼び、日本政府に対し「慰安婦」問題の解決を求める集会を開催する予定である。

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