KUILASIS全学展開 準備完了か(2009.03.16)

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2月3日付高等教育研究開発推進機構(以下、機構)公報によると、KULASIS(京都大学教務情報システム)の確認機能(休講情報、授業変更、各種サポート等)に関する第2期全学展開が決定した。KULASISの確認機能に関しては、08年度9月26日付で第1期展開がなされており、今回の展開によって、履修登録・成績確認に及ぶ全面展開への布石が確立する。

第2期展開は09年度前期より実施。お知らせ機能の拡張については、既に文・理・医学部(医学科・人間健康学科)を除いた7学部と教育学研究科で実施されており、今回拡張されるのは上記3学部と経済学研究科・工学研究科・エネルギー科学研究科・情報学研究科・地球環境学堂・経営管理大学院の6研究科。

機構によると、09年度に工学部を先行部局として専門科目の履修登録・成績確認機能を開発・運用するという。この導入と影響を見た上で全学展開に向けた調整を施し、他学部への履修登録・成績確認機能導入を図る。ただし、各学部によって授業様態や登録制度にバラつきがある現状から、実際の導入については各学部の判断に委ねられており、確たる行程が決定しているわけではない。機能展開に伴うシステム改変については、基本的に全学共通科目に関するシステムを専門科目に拡張するという方向で考えられており、全学共通科目と専門科目の差異をいかに調整するかが今後の拡大の要となる。

工学部を先行とする展開行程に関しては、お知らせ機能の展開においても同様の形態がとられており(07年度先行導入)、工学部のKULASIS機能拡張における「先駆け」としての役割が定着しているものとみられる。機構によれば、工学部は桂・宇治といったキャンパスの点在、学生の多さ等の諸要素から、全学展開のパイロット部局になっているという。

新入生も知るべし KULASISの歴史

専門科目への機能拡張に大きく動くKULASISだが、新入生・在校生ともに当面は全学共通科目に関する履修登録・成績確認機能を主として利用していくことになる。特に新入生にとっては、KULASISの機能拡大を見る以前に、新学期に向けてお世話になるKULASISがどういうものなのか知る必要があるだろう。

KULASISは京都大学の教務情報WEBシステム。03年度に、全学共通科目のオンラインシラバス開発に始まり、教務情報通知、履修登録、成績確認と漸次機能を拡大してきた。アクセス一日一万件を超えるシステム管理は企業に委託されており、開発は学生の声に応じる等の形で、機構を始めとする大学諸機関が進めている。機能拡大の形態や管理体制等、こうした京大のシステム形成・管理のスタイルは、パッケージ型の教務情報システムを直に導入し利用する他の多数の大学とは異なっており、京大をめぐるシステムの特異性の一端を見ることができる。こうした特殊なシステム形成・管理には、システムに関する利便性の追求、学生の欲求への柔軟な対応等のメリットがある。

無論、セキュリティをめぐる配慮は必要とされており、06年度4月には学生の個人情報が一部流出し、システムの管理に対して一定の対応がなされた。今回の専門科目への機能拡大に関しても、学生の利便性向上が図られるとともに、管理される個人情報の拡大という点からは、セキュリティに関する一層の配慮が必要となる。

変わるKULASISと変わる履修環境

全学共通科目の履修はかつて紙面で行われていた。登録をめぐる長大な行列、科目コード記入のミス等、煩雑な手続きの経緯から、全学共通科目をめぐるKULASISの導入は歓迎された。しかし、これから専門科目に機能が拡張されるにあたって、科目の履修環境に変化が生ずるのは必須である。なぜならば、これまで全学共通科目に関するシステムとして使用されていたシステム・制度が他学部に応用されるからだ。

京都大学は旧京都帝国大学であり、帝大時代は法科大学、理科大学と、各学部が強固に独立していた。学制が改変された現在に至っても、その名残は強く残っている。そのため、様々なシステムが全学的・学部横断的に利用されるにあたっては、どのような影響が生じるかは未知数である。学部の自治というものがどのように変わるかは個々の学生の学習環境・研究の在り方にも直結する。それぞれのシステムがどのような経緯で必要とされてきたか、そのシステムの背景を踏まえた上で、導入をめぐる議論がなされる必要がある。

上記のような考察のもと、KULASISを中心に据え、京大の教務システムの特異性、その導入の経緯を追い、京大の教務システム変遷をめぐる議論の「布石」としての特集を今後予定している。

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