いま「合理性」を見つめ直す 春秋講義「恐れ・無知・合理性」(2021.06.16)

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京都大学は4月26日から7月30日まで、2021年度の春秋講義をオンデマンド形式で公開している。今回のテーマは「恐れ・無知・合理性」で、法学研究科の高谷知佳准教授による「『恐れ』を歴史から読み解く」と、こころの未来研究センターの阿部修士准教授による「意思決定を支える脳のメカニズム」の二つが、それぞれ約45分の動画で公開される。

主催の京大はテーマ設定に関して、混沌とした状況において合理的に物事を考えようとしつつも非合理的な行動や判断をしてしまう人間の性質について、歴史学、そして認知神経科学の観点からアプローチするものだと説明している。例として、昨年新型コロナウイルス感染症によるパンデミックで平常時では起こりえない混乱が生じるなか妖怪「アマビエ」の存在が話題となったことを挙げた。

歴史学的アプローチを担当する高谷准教授は、2021年1月6日に京都・鴨川の一部が真っ赤に染まった事例を取り上げた。これが前近代日本で起きていれば何か不吉なことの前兆として人々は恐れたであろうとしたうえで、そういったものへの恐れは前近代の人々が持つ経験則に照らし合わせた合理的な対応であり、実際に感染症などの被害の防止に繋がることもあったと指摘する。

認知神経科学を専門とする阿部准教授は、人間がする意思決定のプロセスについて、合理的判断が感情の動きによって阻害される「トロッコ問題」の例を交えながら解説した。さらに現実の問題として、新型コロナの蔓延によって顕在化しうる公平性に関わる意思決定の問題を取り上げる。

春秋講義は京都大学における学術研究活動の中で培われてきた知的資源を広く学内外の人々と共有するべく1988年から年に2回、春と秋に行ってきた公開講座だ。一度の開催ごとにメインテーマをもうけており、過去には2014年度春季講座の「日本の食を考える」から2017年秋季講座の「身近になった宇宙」まで、幅広いテーマを取り扱ってきた。

動画視聴の申し込みは京都大学ホームページから行うことができ、7月30日まで受け付けている。(航)

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