『光のこだま』過去映す(2008.05.01)

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京都大学宇宙総合学研究ユニットと理学研究科の研究チームは、天の川銀河系の中心にある巨大ブラックホール「いて座A*」が300年前に強烈なX線を放射していたことをつき止め、その研究成果が4月15日に米航空宇宙局(NASA)より記者発表された。

ブラックホール「いて座A*」は、太陽の400万倍もの質量を有しているにも関わらず放射するエネルギーが他のブラックホールと比べて何十億分の一と微弱であるため、「眠れる巨人」と称されその活動経緯が疑問視されてきた。地球と銀河中心との距離は約2万6千光年であるため、現在観測できるのはおおよそ2万6千年前のブラックホールの状態ということになるが、それ以前の動態を知るすべが無かった。

日本の研究チームは1994年から2005年までの間、日本のX線天文衛星「すざく」と「あすか」、NASAのX線天文衛星「チャンドラ」、そしてヨーロッパ航空宇宙局のX線天文衛星「XMM-Newton」、計4つの衛星から送られる銀河系中心領域のデータを解析した。その結果、ブラックホール「いて座A*」から300光年離れた場所に位置する巨大星雲「いて座B」から激しく変動するX線が発生していることがわかった。この特有のX線は、ブラックホールから発したX線がガス雲の鉄原子の内殻電子を叩き出し、そこへ外殻の電子が落ち込むことによって発生する。つまり、「いて座B」の特異なX線は、ブラックホール「いて座A*」からのX線を反射したものである。この現象は「光のこだま」と名付けられている。

巨大星雲「いて座B」の特異なX線を解析することで、今は静かなブラックホール「いて座A*」が、300年前に強烈なX線を放射していたことがわかった。研究チームの小山勝二教授(京都大学宇宙総合学ユニット長)は、その原因について「数世紀前に超新星爆発が起き、その際のガスが大量にブラックホールに落ち込んだ。その結果、ブラックホールを一時的に目覚めさせた可能性がある」と話している。

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