理学研究科で論文不正 研究データを改ざん・盗用(2019.04.16)

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京都大学は3月26日、林愛明・理学研究科教授を筆頭著者とする、熊本地震に関連した論文に不正が見つかったとする調査結果を発表した。論文中にデータの改ざんや盗用行為があったという。これを受けて京大は、林教授に対し該当論文の撤回を勧告した。今後、学内規程に沿って林教授を処分する見通しだ。

京大が不正だと認定した論文は、林教授が2016年11月に米科学誌サイエンスに発表したもので、熊本地震で発生した断層の破壊が、阿蘇火山にある地下マグマの存在によって妨げられたという内容だ。

論文不正は、2017年8月に京大の通報窓口に対し、科学的不正の疑いがあるとの通報が寄せられたことで発覚した。「見過ごすことのできない多数のミスが散見されるとともに、一部では真正なデータの不正使用などによる改ざんが疑われる」と指摘されたという。京大は通報を受け、17年末から昨年8月までの期間にわたり、学外委員を含めた部局委員会・全学委員会で調査を実施した。部局委員会では、論文執筆者のフィールドノートや生データなどといった研究資料の精査や、関係者へのヒアリングに基づく事実関係の調査をし、全学委員会では部局委員会の調査結果を検証したという。

調査の結果、6つのグラフのうち4つで、地形図の引き延ばしなどといったデータの改ざんがあったほか、他論文から図表の盗用が確認された。林教授は京大の調査に対し、論文中の間違いを認めたものの、故意による不正関与を否定し「ケアレスミスだ。結論は間違っていない」と説明しているという。林教授を除く共著者については、いずれも論文不正に関与した事実はないと判断した。

今回の論文不正を受け、湊長博理事は会見で今後の対策について「不正防止の体制整備やコンプライアンス教育に全力をあげて取り組んでいく」と述べた。再発防止策として、理学研究科では研究活動に関するe-learningの受講を周知するなどの再発防止策を取るとしているほか、全学としては、教職員に対して研究公正に関して説明をする機会を設けることを計画しているという。

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