文化

中秋に楽しむ名曲と宇宙 第76回花山天体観望会

2018.10.01

9月24日、京大大学院理学研究科附属花山天文台で、第76回花山天体観望会「名月と名曲」が開催された。宇宙についての講演と邦楽の鑑賞、シアターでの宇宙旅行体験の三本立てで実施された。

まず、本館ドーム内で、京大宇宙物理学教室佐々木貴教氏が土星をテーマに講演し、土星やその衛星タイタンの特徴に始まり、太陽系の惑星の成り立ちに至るまで解説した。続いて、京大邦楽サークル叡風会による、箏や三味線、尺八の演奏が披露された。曲目は、邦楽と西洋音楽を融合させた箏曲で知られる宮城道雄の「遠砧」と「砧」の2曲。当初は星空の下で、という予定だったが、この日は空が厚い雲に覆われていたため、室内での鑑賞となった。

本館ドーム内には、屈折望遠鏡として国内で3番目に大きなレンズを持つ望遠鏡がある。観望会の最後は、その望遠鏡で、講演のテーマとなっていた土星などの惑星と月を観察するはずだったが、空模様が芳しくなく中止となった。代わりとして、4次元デジタル宇宙シアターによる宇宙旅行体験が実施された。このシアターは常設展示ではなく、晴天では上映されない予定だった。

花山天文台では、2006年から年に約6回観望会が開催されている。観望会以外にも、今年10月20日に野外コンサート(参加費3500円)が予定されているほか、11月3日には、宇宙にまつわるアート作品が展示される天文台ギャラリーや、館内の望遠鏡の特別公開が行われる。