京大原子炉運転再開へ 早ければ21日から(2017.06.16)

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京都大学原子炉実験所(大阪府泉南郡熊取町)は6日、研究炉2基の定期検査をそれぞれ6、7月中に完了すると発表した。うち1基は20日に検査があり、合格すれば翌21日に再開となる。

京都大学原子炉実験所は研究用原子炉(KUR)と臨界集合体実験装置(KUCA)を有している。2基の研究炉は大学内外の学生や研究者に利用されてきたが、KUCAは2014年3月10日、KURは同年5月26日から施設定期検査のため運転を停止していた。再開には、福島原発事故以後、原子力規制委員会が施行した新規制基準を満たさなければならない。実験所は設備工事を進めながら、設備変更の申請や、再三の審査会合およびヒアリングを重ねていた。先月にはKUCAの設置変更が承認され、検査も両基ともに完了する見込みとなった。KUCAは6月20日に使用前検査と立会検査が行われ、合格すれば翌日から運転が再開される。KURも7月中の検査完了を見込んでいる。

新規制基準施行に伴う原子炉設置変更の主な内容は、耐震や安全機能にかかわる重要度分類の見直し、地震や竜巻といった災害時における安全評価、設計および工事に関する品質保証、特に非常時における停止・冷却機能の徹底が重視されている。内部火災対策として消火設備の追加やケーブル等の保護対策、外部火災対策として防火帯の整備や散水栓の設置が行われた。災害などによる停電時に備えた非常用電源が強化され、竜巻への対策として監視システムの導入や防護設備の設置などが行われた。またKUCAに関しては、最大出力の縮小といった実験上不要な機能の取り止めや変更がなされた。

京都大学原子炉実験所は1963年に「原子炉による実験及びこれに関連する研究」を行うことを目的に全国大学の共同利用研究所として設置され、核エネルギーと放射線の利用に関する教育研究活動が行われてきた。KURはスイミングプールタンク型の原子炉で、炉心は20㌫濃縮ウランの板状燃料要素と黒鉛反射体要素からなる。熱の最大出力は5000㌔㍗と、発電用原子炉の数十万㌔㍗と比べてはるかに小さい。KUCAは1つの加速器と3つの減速架台とからなる集合体で、最大出力は100㍗とさらに低出力であり炉心の組み換えの容易さを特徴とする。そのため研究利用のみならず、全国および海外の学部学生・大学院生による教育利用として、原子炉の基礎実験や運転操作の場を提供してきた。このような臨界実験装置は、国内では現在定期検査中のSTACY(日本原子力研究開発機構)のみが保有している。運転再開後は福島原発事故の模擬実験がすぐに行われる予定だ。

研究炉を有する大学としては京都大学のほかに近畿大学があり、4月に運転を再開している。

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