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入学試験中活動規制 入寮募集要項配布まで 熊野寮自治会は要求書を出して抗議

2016.04.01

2月25・6日、学内で入寮募集要項を配布中だった吉田・熊野寮生らが大学職員によって妨害を受けていたことがわかった。同5日に、川添理事が「入学試験期間中の活動について」(以下、「文書」)を発表して入学試験における学内や周辺でのビラ配布・営業勧誘などの自粛を要請していたことが原因。この事態を受けて熊野寮自治会は川添理事宛に要求書を提出し、当局を批判。文書の撤回などを求めた。

両寮では毎年2回、寮自治会による入寮選考を行っており、その一環として二次試験当日には学内外で受験生に向けて入寮募集要項を配布してきた。大学当局も毎年ビラ配布や営業勧誘などを禁止する文書を発表していたが、寮の行動に干渉することはなかった。

ところが今回、大学職員は「文書」の存在を理由として、学内で募集要項を配布する寮生に配布の中止を指示。中には寮生を大学の敷地外に追い出そうとしたり、警備員を呼ぼうとした者もいたという。突然の前例変更と一部職員の強硬な態度に、「京都大学の福利厚生施設として、京大に入学しうる受験生へ寮の存在を周知する必要がある」と寮生らは反論した。

熊野寮自治会は3月7日、山極総長・川添理事に宛てた要求書を提出した。その中で自治会は、大学当局には学生の学業を保障するために種々の支援をする責任があること、その一環として京大の福利厚生施設である寮という住居を紹介する責任があること、今回の当局の行為はそのような大学の責任を放棄する「狭隘で無責任な行い」であり、自治会として看過できないこと、などを主張。「文書」および1月27日付山極総長名義の「掲示第四号」(「文書」と同趣旨)の白紙撤回、および今後妨害行為を行わない旨を大学職員に徹底させることを求めている。