アフリカ地域研究会 外からの「知識」が生み出すもの(2016.01.16)

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12月17日、京都大学稲盛財団記念館で第215回アフリカ地域研究会が開かれ、国立民族学博物館准教授の飯田卓氏が『漁民のサンゴ礁保全』と題して講演した。

講演では、マダガスカル南西部に住むヴェズ漁民が取り上げられた。マダガスカルでは21世紀に入って自然保護が推し進められ、漁業の分野においても、資源維持のため漁獲量が制限されるようになった。ヴェズ漁民は、 Blue ventures というイギリスの団体の支援を受け、そうした資源管理に取り組むこととなった。2003年にまずはBlue ventures が主導して管理を始め、禁漁すれば後にその分大きな成果が得られることを漁民に伝えることに成功した。そこで2006年からは、各村の代表からなるヴェルンヂアケというネットワーク組織によって漁民自らが禁漁区の設定など資源管理を行うようにした。

ヴェズ漁民にはこうした方法による意思決定の経験が乏しいため、各村民はヴェルンヂアケとの連携や組織体制について時に不満を持つ。しかし、自分の村内をこえた意見交換は漁民に新たな知識をもたらす。新たな収入源の獲得や周辺に住む生き物の適切な理解につながり、漁民もヴェルンヂアケの存在そのものには賛意を示しているという。

では、ヴェズ漁民にとっての知識とは何なのか。マダガスカル語で「知識」と言う時、それは「技能を有する、獲得する」といった意味をもつ。そしてそれは、大人から知識そのものではなく、知識を獲得するための情報を与えられることで、自ら構成するものである。こうした方法で知識を身につけることは、周りにある手近な素材との組み合わせによって新たな知識を創造することにもつながりやすい。飯田氏は例として、水中で懐中電灯を使うために、本来は全く別の用に供するはずのコンドームを防水のために利用することを挙げた。飯田氏は、「こうした新たな知識は既存の知識との調整を経て初めて各個人で身体化されるので、場合によっては時間をかけて普及していくのだ」と語った。(国)

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