現代アートの接点を探る 第3回「京大おもろトーク」(2015.12.01)

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京大をアートの力で面白くしようというコンセプトのもと、総長と有志の教員で始めた京都大学主催第3回「京大おもろトーク: アートな京大を目指して」が11月26日、東一条にある京都大学総合生存学館で行われた。「アート、ゼロの領域」をテーマに、中国出身の現代芸術家・蔡國強(さい・こっきょう、ツァイ・グオチャン)氏が招かれ、京都大学に所属しながらアート活動をしている教員や学生とともに、科学や日常とアートとの境界について語った。会場のトイレでは京都大学の学生による展覧会「アートがアートである為に」が同時開催された。

蔡氏は中国・泉州出身、現在はアメリカ・ニューヨーク在住の現代芸術家で、火薬や花火によるパフォーマンスや、奇抜なインスタレーションによって世界的に知られる。欧米や中国を中心に芸術活動を行っており、日本では福島や広島での活動が多い。今年開催された「PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭」では、京都市美術館の大陳列室に氏のプロジェクトによる作品が展示され、注目を集めた。

前半では、蔡氏が「美術史で遊ぶ」と題するプレゼンテーションを披露し、自身の作品とそれにまつわるエピソードを日本語で紹介した。美術館の会場を9トンものオリーブオイルやワインで満たしたインスタレーションや、パリの河岸一帯にテントを張って一夜限りのラブホテルにしたパフォーマンス《一夜情》について語ると、会場からも思わず笑いが起こった。会場のアーティストに対しては、自身がかつて東京に滞在していた時に構想していたものの実現できなかった花火のパフォーマンス「ビッグ・フット」が、2008年の北京オリンピックの開会式で実現したことを紹介。さらに天へと伸びるはしごを表現したパフォーマンス《天梯》が、企画段階で何度も断念を余儀なくされ、祖母が亡くなる40日前に実現して見せてあげることができたことに触れ、若い頃からアイデアを暖めておくことの重要さを説いた。また中国の芸術作品には政治や社会の問題提示を期待されていることや、中国が芸術作品の大きなマーケットと化してきたことを指摘。アートには説得力や想像力こそが重要だと強調した。

続いて生態学者の伊勢武史氏(フィールド科学教育研究センター准教授)や宇宙物理学者の磯部弘明氏(総合生存学館准教授)、そして11月祭や今回の企画においてトイレでの展示を監督した高木遊氏(総合人間学部4回生)が各々の研究やアート活動を紹介した。

後半では、京都大学の学生である4人のアーティストが、会場のトイレを借りて展示した作品について紹介した。ついで前半に登場した4人がパネルディスカッションの形で、研究活動としての科学や日々暮らしている日常と、アートとの接点についてそれぞれに語った。

実行委員長の土佐尚子教授(高等教育研究開発推進センター)によると、「今回までの京大おもろトークは、京都大学OpenCourseWareから配信している。自由な京大がここにある」という。

http://ocw.kyoto-u.ac.jp/ja/omoro-talk

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