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鞍馬寺 「竹伐り会式」開催 大蛇伐って豊作祈る

2015.07.01

大蛇になぞらえた青竹を山鉈で一気に切り落とす「竹伐り会式」が6月20日、左京区の鞍馬寺で行われ、五穀豊穣と吉事招来、水への感謝を祈った。700人以上(主催者公表)が訪れて、「オー」という掛け声とともに切りかかる僧兵姿の男子らを観客は固唾を飲んで見守った。

この儀式は、寛平年間(889~897)に鞍馬寺を再興した峯延上人が大蛇を倒した故事にちなんで始まった千年以上の歴史をもつ。毎年、旧暦の蓮の開花時季にあわせた6月20日に、仲間と呼ばれる鞍馬に7つある伝統的な家柄のうち3つが代々執り行う。太さ10㌢㍍の青竹を4㍍の長さに揃え、2本の竹を準備する「竹ならし」の後、導師のあおぐ檜扇を合図に「勝負伐り」が行われた。江戸時代中期から始まったとされる「勝負伐り」は、丹波座、近江座に分かれて一本の竹を5段に伐る早さを競い、両地方の豊作を占う儀式で、丹波座が4年連続の勝利を飾った。「丹波の勝ち」と威勢よく勝利が宣言されると、観客から歓声と拍手があがった。(千)