春秋講義「安寧・安心の社会を求めて」 脱原発。再生可能エネルギーの利用へ(2013.10.16)

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9月21日と29日に、2013年度秋季講義が行われた。春秋講義は、京都大学での学術研究活動の中で培われてきた知的財産を、広く学内外の人々と共有することを目的としている。毎年春と秋に開催され、今回で51回目を迎える。今回のメインテーマは「安心・安寧の社会を求めて」。4人の教授がメインテーマに基づいた別々のトピックスを扱い講義を行う。29日の13時からは、経済学研究科の諸富徹教授が「安定した経済社会における再生可能エネルギーの役割」と題し、講演した。再生可能エネルギーとは地熱発電、太陽光発電のように、半永久的に枯渇することなく利用できるエネルギーのことである。

諸富教授は、再生可能エネルギーによって、日本はプラスの影響を大きく受けることができると語る。東日本大震災をきっかけに原発が次々と止められ、安定した電力供給が一時的にではあるが滞ってしまった。これによって原発に大きく依存していた日本の電力供給の問題点が表面化したが、再生可能エネルギーの拡大によって、原発により生み出される電力が不必要なものとなれば、脱原発と安定した電力供給の両方を達成できる。これが諸富教授の語る、再生可能エネルギーの潜在的な力、役割である。

しかし、再生可能エネルギーの導入には様々な障害も存在するという。日本の電力業界が新規参入しにくいシステムになっていること。大量に導入してしまうと、電圧が下がったり周波数が変化してしまうなどの問題である。再生可能エネルギーの導入には、これらの問題を解決できるような新しいタイプの送電網の形成が必要だとし、新規参入しやすいように電力の自由化も欠かすことができないものだと述べた。これに関しては、電力自由化の面で大きな成功を収めたドイツを参考にするべきだという。教授は、ドイツでは市民の自発的運動がきっかけとなって、脱原発へ大きく踏み切ったと述べた。電力自由化で引き起こされる競争によって、当初は比較的高額だった料金が低下していったこと、それにより再生可能エネルギーがより一般に浸透したことなどを、資料を用いて示した。

しかし、日本でも徐々に再生可能エネルギーの試みは始まっている。長野県の飯田市では、市民の出資による太陽光発電が行われている。この出資額は事業を立ち上げた人々の予想をはるかに上回り、2億円以上の募集額は2カ月あまりで満了した。諸富教授は、これを市民の期待感の表れだとし、長野県飯田市を中心に、日本中へ再生可能エネルギーが導入されることが一般的になることを期待して、講義を締めくくった。(草)

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