京大サロントーク 言語政策移植の様相(2011.12.16)

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12月13日、百周年時計台記念館にて、第74回京大サロントーク「言語政策移植の様相―カタルーニャからパラグアイへ―」が行われた。今回講師として招かれたのは塚原信行・高等教育研究開発推進機構准教授。

タイトルにも冠されているように、パラグアイの言語法制定においてカタルーニャの言語法を元にしたことを主に扱った。

カタルーニャとはスペインの自治州のうちの1つ。この地域の公用語はスペイン語、カタルーニャ語、オック語だ。カタルーニャ語が公用語となったのは1978年のことである。この言語は土着語なのにもかかわらず、それまでは家の中など私的な場でしか使うことができなかった。結果、言語の優劣が発生し公的な場で使えるスペイン語より下位の言語とみなされた。また、ほぼすべての人がスペイン語を使えるのに対し、カタルーニャ語は使用人口が減っていた。この状況を覆し、全員がカタルーニャ語とスペイン語のバイリンガルとなるよう、法令が定められ二言語併用して記述や放送を行うことが義務付けられた。

対して、パラグアイの公用語はスペイン語とグアラニー語である。ただし、一方のみの話者が多く全員が共通に理解できる言語が無かった。グアラニー語が公用語となったのは1992年であり、国民がバイリンガルになるような政策が検討されたところ、カタルーニャに協力を求めることとなった。というのも、グアラニ―語の使用は家族間や地域社会などの私的な場が主流で、同族意識の高まりをもたらしたのに対し、スペイン語は公共機関やマスメディア、ビジネスの場など公的な場で使われており、その関係がカタルーニャ語とスペイン語の関係に似ていると思われたためだ。

実際の法整備もパラグアイはカタルーニャのものに概ね倣って行われた。だが、それは正しかったのだろうか。すなわち、言語政策移植とは本当に可能なのだろうか。パラグアイでは2言語がそれぞれ異なる重要な役割を持ちえたため、バイリンガル化はある種の必然だったが、カタルーニャではカタルーニャ語はスペイン語に駆逐されかけ、言語コンフリクトが起こっていた。文化、歴史などの影響や、言語の複雑さを痛感させられた。(酔)

《本紙に写真掲載》

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