生命を解くカギは“動的平衡” ベストセラー『生物と無生物のあいだ』著者が講演(2011.10.01)

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9月25日、京都大学百周年時計台記念館大ホールにて、日本生化学会主催の市民公開講座「生命を解くキーワード、それは〝動的平衡”」が開かれた。講演者は青山学院大学教授の福岡伸一氏。300人以上の学生や市民が集まった。

70万部を超えるベストセラー『生物と無生物のあいだ』で知られる氏は、顕微鏡発明者のレーウェンフックが画家のフェルメールと親交があったのではないかという奇聞に始まり、顕微鏡のおかげで細胞を観察出来るようになったこと、そして生命とは細胞というミクロな部品の集まった機械のようなものであるという機械論的生命観について述べた。中心となった話題は「動的平衡」。

ルドルフ・シェーンハイマーの言葉「生命は機械ではない、生命は流れだ」を引用しつつ、動的平衡とは、要素が絶え間なく更新されつつ、一種の秩序(平衡)が成り立っている状態である、と話した。すなわち要素は入れ代わりながらも、同じ状態を保持出来るように変化を中和しようとする力(再帰性・相補性)の働いている状態だ。同氏の発見した遺伝子GP2を取り除いたノックアウトマウスに実験室内で何の異常も発見しえなかったのは動的平衡により欠損が補われたためだ考えられる。そこから派生して脳死問題やいつから人として認めるかといった「脳始」問題についても論じた。

講演の最後には質問が多数寄せられ、「動的平衡という考え方には仏教と共通点があるのではないか」という質問に対しては「仏教だけでなく様々な他の宗教やヘレニズムなどとも共通する部分がある。科学は昔の人が気づいてきた事を新しい言葉で言い換えているのかもしれません」と語った。
 終了後はサイン会が行われ、盛況をもよおしていた。

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