京大×北京大 日中協力の一里塚・PUKU(2010.11.16)

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今年の夏休み、京都大学と北京大学の学生が国を超え計20日間にわたり相互交流を図るプログラム「PUKU(Cross Culture Communication between Peking  University and Kyoto University)」が開催された。今回実行したPUKU実行委員会代表の何玄悦さん(経済・3)に企画実現に至る道のりなどを伺った。(魚)

PUKUが企画されたそもそものきっかけは08年の12月に遡る。北京大学と東京大学の学生交流企画「京論壇」に参加した北京大生が、議論だけではなく実践的な行動もできる企画が出来ないものか、と京大の学生に話を持って来たのだという。京大と北京大の双方で「それなら何かやろう」と話がまとまり、人づてに初期スタッフが募集される。何さんもその中の1人として加わった。「はじめは1スタッフのつもりでした」。ところが、初めに話を北京大側から受けた学生が都合で活動を続けることが難しくなり、何さんが京大側代表に就任することに。「本当に大変でした。よく企画が実現したなと今でも思います」。

最も難航したのがPUKUプランだったという。「08年の春からPUKUの活動は始まったんですけど、半年間はただ漫然と議論するだけで何も決まらない、ということが多々ありました」と何さん。第一案として、09年秋に「人的交流」「文化交流」をメインに据え、最後に少人数の分科会で学習会をする、というプランを立案。しかし「それでは既存の国際交流プログラムと何ら変わりない」と北京側から言われ、再度議論した結果少人数のテーマ別分科会(伝統、環境、農業)をメインにし、会期中の文化体験から、ビジネスプランを立案するという交流+共同企画立案という自選色の強いコンセプトがまとまった。この時点で今年1月。「本当にギリギリで常に時間との戦いでした」。

せっかく良いプログラムができても参加者が集まらなければ意味がない。新学期にあわせビラ等で参加者を募るも参加希望者は思うように集まらない。「説明会を開いても誰も来なかったときは本当にショックだった」。人づてに働きかけもし、ようやく9名を集めた。「初めは1,2回生が良い経験をつむことを想定していたけど、参加してくれた学生の殆どは、就職活動が終わり見聞を広げようとする4回生だった。もっと若い人にも参加してもらえば」。

様々な困難を乗り越え、今年の夏休み、PUKUは実行された。8月22~30日が京都、9月3~11日は北京での計18日間のプログラムだ。基本的に分科会単位での行動。まず事前に調査した両都市圏における各テーマ対象の現況を学生が発表し、居大学教員のフォローも加えて知識を共有したのちに、例えば伝統分科会で言えば北京では大学の寮に宿泊。漢服という伝統工芸や伝統的な街、京都だと着物や町家といった伝統文化を現代にアレンジしつつ継承しようとしている現場を視察した。

なぜこの3テーマだったのか。「京都も北京も急激な近代化の中でどうやって伝統的な技術や文化、町並みを維持し発展させてゆくかが課題となっています。また北京ではゴミや交通渋滞など都市の環境問題が今深刻で、先に経済発展をした日本の例が参考になればと、あと最後の農業は意外かもしれませんが、北京では近郊農業が盛んなんです。それをブランド化したりすることはまだ途上で。日本にとっても農業問題は大事でしょう」国家規模の課題も大事だが、両都市の個別具体的な課題に焦点を絞ったほうが有益な議論・プラン発表ができるだろうという考えだ。

そののち、英語によるディスカッションおよびプレゼン資料の作成を経て、それぞれの会期の最終日に公開発表を行った。企画立案では観光名所にQRコードを設置し、近隣の伝統産業や体験コースの割引クーポンや、知識の情報を入手できる「QRっと京都」といったアイディアがお披露目された。

京都では町屋のゲストハウスで共同生活をしながら過ごし、期間中に仲良くなって夜中にバイクで琵琶湖に遊びに行く人もいたという。参加した2回生は「北京大生は移動中にも勉強していたり、発言もガツガツするし、とてもエネルギッシュで、負けていられないと思った。よい刺激になりました」と話す。

現在PUKUは「解決策実行」の段階に入っている。交流会だけで終わらせてしまうのではなく、その場で考えた課題に対する解決策(プラン)を実行に移すアウトプットの段階を取り入れた。具体的には、アイディアを市当局などに持ち込み、実用化の目はないのかを探っている。「とはいっても、そういうアイディアは出たことがあるけど、上手くいかないよ、と厳しい指摘も受けています。でも交流をして終わり、という場ではなく、一つのきっかけとして持続できる取り組みにしたい」。

中国出身で小学生時代を日本で過ごし、その後再び来日して京大に入学した何さん。「中国と日本の友好に貢献することがひとつの夢でした。PUKUはまだ出来たばかりの団体で、色々とつたないこともありますが、これまでそんなに強い関係がなかった京都と北京の交流を、それも学生の手で盛んにできればと思います」。

今は企画実現にむけともに協力したスタッフ、そして助けてくれた多くの人たちに感謝しているという。現在PUKUでは、来年度の実行委員スタッフを募集している。

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