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湊前総長 6年間の任期終え退任 「京大を変える準備できた」

2026.09.16

湊前総長 6年間の任期終え退任 「京大を変える準備できた」

立川新総長(左)と握手をする湊氏

湊長博・前総長が6年間の任期を終えるにあたり、9月30日に本部棟で退任式と記者会見を行った。2014年に理事・副学長に就任してから12年にわたり大学経営に関わった。7月に国際卓越研究大学の認定を受けたことに触れ、「なんとか準備ができてほっとしている。問題はこれからの実行」と立川康人・新総長を激励した。退任式には職員や役員が100名ほど出席したほか、500名ほどがオンラインで参加した。

湊氏は、大学経営に携わった12年間を「色々なことがありすぎた」と振り返る。新型コロナウイルスの感染拡大時には、オンライン授業の環境整備、学生・教職員や市民へのワクチン接種に取り組んだ。22年2月のロシアによるウクライナ侵攻には「腹が立った」といい、1億円以上の支援基金を集め、ウクライナ国内の学術交流協定校2校から延べ70名以上の学生を受け入れた。基金はまだ十分にあるとして「戦争が終わるまで続けるべき」と訴えた。

22年11月には、世界水準の研究基盤を構築した「国際卓越研究大学」の実現に向け、新法が施行された。内閣府などと接触する中で「京大はいずれ通る」と感じており、認定を前提に「やれることは先にやろう」と、事務組織の再編や、成長戦略本部・総合研究推進本部・教育改革戦略本部の三本部体制を確立したと語った。

旧霊長類研究所で研究費の不正支出が判明し、22年に研究所を解体したことにも触れた。今年4月に「ヒト行動進化研究所」と「霊長類フィールド研究センター」を新設し、霊長類研究の組織は残すという約束を果たしたと述べた。

また、吉田寮現棟をめぐる問題を「長年の懸案だった」とした上で、安全性に懸念があったと強調した。現棟と食堂の明け渡しを求めて京大が寮生を訴えた訴訟は、昨年8月に大阪高裁で和解が成立した。京大は7月末から学生・教職員向けに、「吉田寮現棟敷地活用に関するアンケート」を開始した。寮生を含めた全ての学生で方針を決めたいと述べ、「そう遠くない将来良い方向で解決できるだろう」と期待した。対して、寮自治会は8月に声明で「建替方針の既定路線化は到底容認できない」と批判している。

立川氏は、教職員を代表して総長、理事に謝意を表した。物価や水道光熱費が高騰する厳しい財政状況の中でも部局の基盤的経費を維持したことが部局長として大変ありがたかったと述べ、「京大のさらなる発展に向けて教職員一同力を合わせる」と抱負を語った。記者会見終了後、花束を受け取った湊氏は、教職員に見送られながら本部棟を後にした。

花束を受け取って微笑む湊氏