文化

〈展示評〉手のひらで出会う街角展示 ネコ科ポストカード大集合

2026.09.16

〈展示評〉手のひらで出会う街角展示 ネコ科ポストカード大集合

ビニールポケットに収まる猫作品

8月6日から11日にかけて、木屋町のはりビル(中京区)3階で「nano展 Vol.2」が開催された。ネコ科動物をモチーフとする100×148ミリのポストカード作品が募集され、27名のアーティストによる128点の作品が展示・販売された。デザイン業や絵画教室を営む「Design Studio nano」が主催し、ネコ科アーティストの知名度向上と出展機会の安価な提供を目的とする。チャリティーブースでは絵画教室に通う中学生・進藤舞子の描くネコ科動物全41種のポストカードが販売され、収益は全て「世界自然保護基金」に寄付される。

会場に入ると、ビニールのポケットに収まったポストカードが壁一面に連なっている。気になった作品はその都度ポケットから取り出して眺めることができ、重量が軽く手のひらサイズのポストカードならではの展示スタイルだ。出展者の経歴はペット似顔絵作家、画家、趣味で絵を描く主婦、芸大の大学院生と様々。水彩やクレヨン、糸、石など猫を描くアプローチも様々で、作者の生活や猫との関わり方が滲む作品も多い。ポストカードは1種類につき500円の低価格で誰でも出展することができ、1枚250円で購入できる。

筆者の目を引いたのは絵画教室に通う中学生「nanoka」の作品。青や黄の実をいっぱいに付けた植木鉢が畳に置かれ、植木の下で2匹の猫が伸びをしている。どこか現実とは不整合で暖色な画面の中で、世界への好奇心に溢れる目と自慢げな口元を備えた猫がとにかく愛らしい。他に「asa」の描く左目が大きく右目の小さなライオンも、筆者の顔の特徴と同じで気に入った。隠すように手のひらに包んでじっくり眺める、まだ有名でない作品とのごく個人的で秘かな出会いが当展示の魅力だ。

展示の今後について「Design Studio nano」代表の中山氏は「自分の作品が商品となり購入されることで、作者自身の活動への自信となる。今後、より多くの作者が出展したいと思える場所にしていきたい」と述べる。作家の経歴や知名度に関わらず居並ぶ作品群には、自身の日常と親和性の高い作品との偶然の出会いがあった。次回「nano展 Vol.3」は11月23日から29日。(雲)

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