独自探索手法で中間体抽出 反応機構が「読める」AIモデル
2026.07.16
道場貴大助教(化学研究所附属元素科学国際研究センター)は、北海道大学の前田理教授らと共同で、化学反応の収率を予測する人工知能(AI)の開発において、反応の途中に現れる多数の中間体のエネルギーを入力することで、これまで難しかった反応の仕組み(反応機構)の説明を可能にしたモデルを構築したと発表した。
化学反応の収率を予測するAIモデルは、記述子(分子を数値の並びで表現したもの)と実験で得られた収率との関係を機械学習させて開発する。従来このようなモデルは、高い予測精度を実現できても、反応機構を理解することが難しかった。
道場助教らは、反応中間体を記述子とする方法を用いた。初期の原料を与えることで、反応経路を網羅的に探索する「SC―AFIR法」という手法を独自に実装し、反応に大きく影響する52個の中間体を抽出した。これらの中間体から得られた記述子を用いることで、パラジウム触媒による炭素―水素結合の変換反応において、未知の配位子の収率を平均誤差約6%で予測できたという。さらに、モデル上で各中間体に対応する係数は、その中間体が収率にどれだけ影響しているかを表していたという。
研究グループは本手法を展開し、優れた触媒や反応条件を探索する手法や、捉えた反応機構を類似反応へ転移する手法などを開発していく構えだ。また、反応開発の過程を効率化することを通じ、物質生産の省力化への貢献も期待されるという。
本研究成果は6月19日付で国際学術誌「Journal of the American Chemical Society」にオンライン掲載された。
化学反応の収率を予測するAIモデルは、記述子(分子を数値の並びで表現したもの)と実験で得られた収率との関係を機械学習させて開発する。従来このようなモデルは、高い予測精度を実現できても、反応機構を理解することが難しかった。
道場助教らは、反応中間体を記述子とする方法を用いた。初期の原料を与えることで、反応経路を網羅的に探索する「SC―AFIR法」という手法を独自に実装し、反応に大きく影響する52個の中間体を抽出した。これらの中間体から得られた記述子を用いることで、パラジウム触媒による炭素―水素結合の変換反応において、未知の配位子の収率を平均誤差約6%で予測できたという。さらに、モデル上で各中間体に対応する係数は、その中間体が収率にどれだけ影響しているかを表していたという。
研究グループは本手法を展開し、優れた触媒や反応条件を探索する手法や、捉えた反応機構を類似反応へ転移する手法などを開発していく構えだ。また、反応開発の過程を効率化することを通じ、物質生産の省力化への貢献も期待されるという。
本研究成果は6月19日付で国際学術誌「Journal of the American Chemical Society」にオンライン掲載された。
