731部隊論文「検証を求める会」解散 求める会「交流の端緒開けた」
2026.06.16
5月28日、「満洲第731部隊軍医将校の学位授与の検証を京大に求める会」が解散を発表した。京都帝国大学が731部隊の隊員に授与した学位の検証を京大に求めるために発足し、2020年に湊長博総長が就任して以降は、京大と侵華日軍第七三一部隊罪証陳列館(中国・ハルビン市)との交流を目指して活動してきた。双方の橋渡しに役割を果たせたことを評価しつつ、会員の高齢化や日中関係の悪化で今後の活動が見通せないため解散を決めたという。
求める会は、2018年に京大に縁のある研究者が集まって発足。京都帝大が終戦直後に医学博士号を授与した731部隊の平澤正欣・陸軍軍医少佐の論文に人体実験が疑われる記述があるとして、京大に学位授与の検証を求めた。当該の学位論文は、ペスト菌を有するイヌノミを「さる」という被検体に付着させて感染率を調べたものだが、「さる」が「頭痛(中略)ヲ訴ヘ」との記述などから「さる」が人間であった可能性が指摘されていた。検証の要求を受けて、京大は18年9月に論文の予備調査を実施すると発表したが、予備調査の結果人体実験が行われたとは結論付けられないとして、19年2月、本調査は実施しないとした。求める会は異議申し立てなどを行ったが、特筆すべき前進はなかったという。
その後、求める会は京大と陳列館の交流の推進を軸に活動した。求める会によれば、10年に当時医学研究科長だった湊氏が陳列館の館長と京大で懇談し、731部隊に関する中国側の資料を閲覧したい旨を伝えたという。陳列館は、24年5月に京大に蔵書を送り、6月にも総長宛ての手紙を送付した。本紙が入手した手紙には約70点の寄贈予定蔵書目録が含まれており、京大と陳列館双方で資料共有を進めていきたいと記載されている。また、陳列館は「京大はさらに多くの資料を公開すべき」と本紙の取材に答えた。求める会によれば、京大も館長の訪問を歓迎する旨の返事を送ったという。本紙の取材に対し京大は、「面会の機会を設けることを前提に、陳列館から日程調整の照会があった」と回答した。ただ、学術交流に関する具体的な事柄は未定だという。
解散に先立ち、21日には京大で記者会見が開かれた。求める会の西山勝夫・滋賀医科大名誉教授は、京大と陳列館の交流について日程調整を行う段階にまで橋渡しできた点に手ごたえを語った。望まれる学術交流の形として、広原盛明・京都府立大元学長は、京大医学部の研究者が陳列館を訪問し共同研究を行うことを挙げ、若い世代が研究に参画することにも期待を寄せた。また、10月に就任する新総長にも言及し、「湊総長から学術交流を引き継いでいってほしい」と述べた。
求める会は、2018年に京大に縁のある研究者が集まって発足。京都帝大が終戦直後に医学博士号を授与した731部隊の平澤正欣・陸軍軍医少佐の論文に人体実験が疑われる記述があるとして、京大に学位授与の検証を求めた。当該の学位論文は、ペスト菌を有するイヌノミを「さる」という被検体に付着させて感染率を調べたものだが、「さる」が「頭痛(中略)ヲ訴ヘ」との記述などから「さる」が人間であった可能性が指摘されていた。検証の要求を受けて、京大は18年9月に論文の予備調査を実施すると発表したが、予備調査の結果人体実験が行われたとは結論付けられないとして、19年2月、本調査は実施しないとした。求める会は異議申し立てなどを行ったが、特筆すべき前進はなかったという。
その後、求める会は京大と陳列館の交流の推進を軸に活動した。求める会によれば、10年に当時医学研究科長だった湊氏が陳列館の館長と京大で懇談し、731部隊に関する中国側の資料を閲覧したい旨を伝えたという。陳列館は、24年5月に京大に蔵書を送り、6月にも総長宛ての手紙を送付した。本紙が入手した手紙には約70点の寄贈予定蔵書目録が含まれており、京大と陳列館双方で資料共有を進めていきたいと記載されている。また、陳列館は「京大はさらに多くの資料を公開すべき」と本紙の取材に答えた。求める会によれば、京大も館長の訪問を歓迎する旨の返事を送ったという。本紙の取材に対し京大は、「面会の機会を設けることを前提に、陳列館から日程調整の照会があった」と回答した。ただ、学術交流に関する具体的な事柄は未定だという。
解散に先立ち、21日には京大で記者会見が開かれた。求める会の西山勝夫・滋賀医科大名誉教授は、京大と陳列館の交流について日程調整を行う段階にまで橋渡しできた点に手ごたえを語った。望まれる学術交流の形として、広原盛明・京都府立大元学長は、京大医学部の研究者が陳列館を訪問し共同研究を行うことを挙げ、若い世代が研究に参画することにも期待を寄せた。また、10月に就任する新総長にも言及し、「湊総長から学術交流を引き継いでいってほしい」と述べた。
