吉田寮 教員有志が総長らに声明 現棟建替撤回と対話求め
2026.06.01
学生課職員に声明文を提出する教員有志=学務部棟
吉田寮現棟をめぐっては、一審判決で寮生側が一部勝訴したのち、昨年8月に寮自治会と京大との和解で、京大が「耐震工事(建替工事を含む)」をすることが決まり、3月末に寮生は現棟から一時退去した。4月14日に京大は、現棟を建て替えたのちそれによって生じる敷地を「全学生の共通財産」として活用するという方針を発表した。これを受けた声明文では▼建て替え方針を一旦撤回し、学内の意思決定のあり方を正常化すること▼吉田寮のあり方について一時退去中の寮生や寮自治会と話し合い、合意の上で新たな方針を決定すること▼現棟について学内外の建築専門家の意見を聴取し、学術的調査を経たうえで保存・活用を含めた将来像を決定すること、の3点が要求されている。
有志の会は2019年以来主に京大の教員の賛同を募り、対話によって吉田寮のあり方を決めるよう求めてきた。提出後の記者会見で駒込武教授(教育)は、京大の対応を「当事者である寮生を交渉相手とみなさず、和解や一審判決の趣旨を踏みにじるものだ」とし、「京大の社会的信用を損なう」と批判した。細見和之教授(人・環)も方針発表に至る調査や検討を不十分だとし、「建て替えに限定した方針を発表するのは、和解の恣意的な解釈だ」と指摘した。
声明文を総長らが受け取ったかや声明文中の要求への対応について京大に尋ねたところ、「個別の団体からの声明文に関する受け止め方については、コメントは差し控える」とした。
