三宅香帆&橋本幸士 京大時代を振り返る 京大×ブルーバックス刊行記念講演会
2026.06.01
新刊『ホログラフィー原理とはなにか』を出版した橋本氏(右)と、文芸評論家の三宅氏
まず、なぜ京大に入ろうと思ったのか、登壇者の2人が振り返った。三宅氏は本を読むのが好きだったため文学部を選び、高校時代に熱中していた司馬遼太郎『燃えよ剣』の舞台が京都だったことが、京大を選ぶ一因になったという。橋本氏は「パズルのような問題を解く」ことが好きで、京大理学部を選んだと述べた。
両氏は京大に入ってからの生活について語った。三宅氏は、京大はそれぞれの人が「自分はここが最強」という専門をもっていることが良い点だったと振り返った。橋本氏は2回生時に、教員に学習上の相談に行った経験を挙げた。自分の興味ある事柄を話すと、「この人は将来科学者を目指しているという前提で話してもらえて、対等に扱ってもらえた」と述べた。後に、理論物理を志すきっかけになったという。
その後、橋本氏は研究を一般の人々に対して説明する際に心がけていることについて語った。かつて、親子連れに対し、研究内容を詳しく書いたポスターを示しながら説明していたが、興味を持たれなかったことがあった。しかし、母親に「この人科学者だから握手してもらっとき」と促され、橋本氏が子供の手を握ったとき、親子共々喜んでもらえたそうだ。この経験から、「一般の人に対して説明する際には、科学の内容を詳しく話すのではなく、科学者自身を魅せること」が重要であると悟ったという。三宅氏も、自身は科学に苦手意識があったが「科学者もの」の物語は昔から好んで読んだ、と同調した。
イベント全体を通して、「京大生は自分の世界があるから、キャンパスで目が合わない」「考えながら車を運転していると、信号が変わったのに気づかない」などのネタで笑いを取りながら進行し、京大についてよく知らない人でも楽しめる構成だった。(鶴)
