ニュース

『京大マガジン』刊行 藤原辰史教授が編集長に

2026.04.01

『京大マガジン』刊行 藤原辰史教授が編集長に
京大総合研究推進本部は3月19日、出版社「ミシマ社」と共同で『京大マガジン』を創刊した。雑誌は京大の学風である「研究の自由と自主」の思想の発信を目指しており、人文科学研究所の藤原辰史教授が編集長を務める。創刊準備号と位置付ける「0号」では、ノーベル化学賞を受賞した北川進特別教授へのインタビューをはじめ、大学内外の研究者や歌人からの寄稿を収録している。

0号は「失敗」をテーマに据える。このテーマについて、藤原教授は雑誌の中で「失敗と、それに付随する舌打ち、絶叫、号泣は京都大学の日常の風景」だとして「成功は失敗の一種にすぎない」と述べている。

巻頭の「創刊の辞」で藤原教授は、「学ぶことに取り憑かれた者たちの、紙の上の実験室でありたい」と述べ、「最適化と標準化に耽溺する現代世界」における自由な異種交流の場への思いを綴った。

藤原教授は本紙の取材に対し、雑誌には「学問と表現に取り憑かれ、貴重な人生を吸い尽くされようとしている哀れな人たちの失敗の繰り返しがそのまま記されている」ので、「成功した人よりも、迷いつつある人たちにかなり効き目のある仕上がりになった」と自信を見せた。また、今後雑誌を通じてやってみたいことは無数にあり、やりたくないことは「虚飾、忖度、追従、そして歴史の無視」と述べた。

京大は、ミシマ社との共同により社会と広くつながり「研究の多様性や潜在的可能性を可視化」できると期待を寄せ、対話を基盤とした研究を推進するとコメントした。

0号は初版2千部限定で増刷の予定はない。京大生協のブックセンタールネで購入できる。

京大マガジン0号「失敗」
京都大学総合研究推進本部 編・発行
ミシマ社