京都学食探訪記(2010.01.16)

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受験勉強は大学に入るためにする行為だ。しかし、マークを塗りつぶすのに血眼になっていると、そういった基本的な事実さえ忘れて、なんのために勉強しているのか見失いがちだ。そんな時は、志望大学のイメージを思い浮かべてリラックスしてみるのがいい、などと予備校で言われたことだろう。しかし、大学のイメージなどといっても、高校までの人生からなかなか思い浮かぶものではない。オープンキャンパスでの大講義室の説明会を思い出しても、ただ広さに圧倒されるばかりだろう。

そんなとき有用なのは、志望大学の食堂でゆったりした時間を過ごすことかもしれない。なぜなら、人間の本質的な生活様式は3度の食事によって規定されるというからだ(大学の社会学の教授が言ってた)。ということは、「食堂を制する者は大学生活を制する」ひいては受験も制する。しかし、忙しい受験生には食堂に行ってみる時間すらも惜しいかもしれない。そんなわけで、今回は市内各地の大学食堂に潜入取材を試みた。各食堂でおいしそうなメニューとともに、その雰囲気をレポートする。これを読んで頭の中で市内を飛び回ってほしい。ただし、それが必ず受験に役立つかは保証のほどでない。(編集部)

同志社大学


「あなたの大学の食堂はもう無理なの」そう言い残して彼女は消えた。「そんな…」それから3日間僕は授業にも行かず部屋にこもって考え続けたんだ。京大の学食の何がいけなかったんだろうって。でも分からなかった。だから思い切って行ってみたんだ。彼女のいる同志社大学の学食へ。

今出川キャンパスの建物はいつ見てもキレイだ。彼女とチャペルの前で待ち合わせしたのが昨日のことのように思い出されて切ない。ここか、明徳館=私大の建物はそれぞれ立派な名前がついている=に入る。この地下に学食があるはず…ん?

目の前に現れたのはJRのエキナカかと見まがうばかりに小奇麗に彩られたオムライス専門店「erica」だった。その刹那僕の中でのモヤモヤは氷解したんだ。こんな素敵な学食をいつも使ってるなら京大がショボく思えるはずだって。

取りあえず、「温玉カレーピラフ(コンソメスープ付、450円)」を注文する。かなりリーズナブルな値段だ。同程度のクオリティを提供する某カ●フォーラとかもっと頑張れ、と余計な煩悩がアタマおかき乱す。更に食券制なのだが注文機のボタンを押した瞬間に厨房に注文が行くというハイテクさだ。

「温玉カレーピラフ」を机に運ぶ。湯気が立ち込める半熟卵にゆっくりとスプーンを差し込む。表面はツルツルの張りがあって、でも一歩中に入ると、暖かく、柔らかな感触が…あぁ、これは紛れも無い彼女そのものじゃないか!…と、絶頂感に浸る間も無く半熟卵は僕の喉をすり抜け、胃袋の中へ真っ逆さまに落ちていったのだった。(魚)

京都精華大学


叡山電哲の京都精華大前駅を降り、大学の正門をくぐるとさっそく大きな食堂『悠々館』が目に飛び込んでくる。食堂の前に並べられたテーブルが開放的な雰囲気を醸し出している。キャンパスには背の高い建物はほとんどなく、背後に広がる山を一望できる。とりあえずまずは食おうということで、物珍しさにキョロキョロしながら食堂の中へ。大きな窓が明るい空間を演出している。食堂内はラジオがかかっており、ぼーっとしていても楽しい。入り口のメニューを見ると、なんと牛丼が250円。某牛丼チェーン店よりも安いではないか。他の料理も価格は抑えめな上、和洋中と種類も豊富だ。金欠の私としてはまったくもって嬉しい限りだ。というわけで、ちょっと贅沢をして卵とじ牛丼(280円)を頼んだ。それなりに美味しい。ボリュームも値段の割には多い。

景色もいい上手頃な値段。毎日通いたい理想的な食堂と言える。営業時間平日は10時から17時。土曜日は10時から14時。ちなみに2階には喫茶店があるほか、キャンパスのすぐ外には大学直営の和食料理店『れあた』もある。(書)

龍谷大学


訪れたのが土曜ということもあり、龍谷大学の学友会館食堂は閑散としていた。四角い部屋に白い机がならんでいるだけの殺風景な食堂だ。トレーを持って注文しに行ったときもカウンターにいた客は私一人であった。せっかく来たことだし、なにか龍谷大学を感じさせるものをと思い「龍ちゃんラーメン」を注文する。そこらへんのラーメン屋にもありそうななんとも凡庸な名前だ。味も予想通り普通の醤油ラーメンで、値段は367円。まあ普通だろう。帰りは1時間に一本しかない京都駅行きのバスに上手く飛び乗り、深草キャンパスをあとにした。

以上。これでもかというくらい普通ずくめの龍谷大学であった。(47)

大谷大学


地下鉄烏丸線、北大路駅下車、6番出口を出て左へ、すぐに大谷大学が見える。食堂は、正門近くの講堂の地下にある。

おすすめは、一杯70円のうどん。けれど具には、葱とかまぼこだけである(笑)。それだけでは、物足りないという人には、トッピングとして、きつね40円、から揚げ(3つ)100円、天ぷら等が用意されているのでそちらをのせるとよいだろう。

セットメニューでは、ご飯、味噌汁、おかずがセットのハッピーランチ270円、日替わり370円、ディナー420円がある。なお、ご飯のサイズは小、中、大、特大から選ぶことができる。(碧)

京都大学


食堂は京大生活の一つの醍醐味と言っても過言ではない。吉田キャンパス各地にある5か所の食堂各所で「あれがおいしい」「こういうイベントがある」などと、特典に事欠かない充実ぶりである。そんな中で、今回は西部キャンパスに在する「京大食堂の王様」カフェテリア・ルネに京大新聞取材班が潜入取材した。

ルネ食堂は講義室の多い東側のキャンパスから東大路通りを挟んで向かい側にあり、ランチやディナーなどに適した憩いの場となっている。夜まで営業してくれる大学食堂は少ないと聞くが、京大の生協が夜まで充実した食事を出してくれるところには並々ならぬ感謝の念が芽生える。そのルネの名物メニューはパフェ。筆者が某日漫然と昼食を食べていると、隣の男性2人がおいしそうにパフェを貪っている。聞いていると、どうやら片方はわざわざ慶応大学から遊びに来たらしい。「やっぱ京大くるときはパフェに限るな」とため息交じりに一言。亀田興毅似の強面の兄ちゃんだったが、一気に親近感がわいた。

そんな名物メニューの数々をふまえてレビューのため買い込んだ品々が写真。周りは食事が終わり落ち着いたムードの中の一角だけパーティ会場のようになった。チゲ鍋や和風カツ丼が湯気をたてる中にきちんとパフェも置いた。しかし、取材班男6人でこんな御馳走を囲んだ暁には内容は関係なくなってくる。パフェもチゲ鍋もごっちゃまぜの貪りっぷり。某宮崎駿映画の序盤で、主人公の父母が豚に代えられて飯を食べあさるシーンがあったのを思い出した。ふと、大学食堂の良さは、メニューやきれいさもさることながら、こういう「どんちゃん食い」が許される環境もあるかな、などと思いながら隣のパフェをかすめ食べる。(麒)

立命館大学


先生あのね、昨日はね、立命館大学衣笠キャンパスに行ってきたよ。それでね、真新しい「R」の旗(ロケット団じゃないよ、立命のRだよ)が5メートルおきにはためくのを見ながらブラブラ歩いてたの。そしたらね、目の前の学生会館の中に「Subway」があったんだよ。とっても驚いたよ。だって大学の中に「Subway」だよ。それで普通の学生食堂に行くつもりだったのをネ、止めてね、その「Subway」に入ることにしたよ。

店の中にね、入った瞬間に店員さんがね、「いらっしゃいませ!」って声をボクに掛けてくるの。何かがおかしいと思ったよ。しかもね、その表情はスマイル100%で、ふつうの生協がやってる学生食堂みたいな半分無愛想な態度とは全然違くて、感覚がおかしくなっちゃったよ。さすが資本のチカラはスゴイね。

その後もね、店員さんは「パンは次の4種類のどれに致しますか?」「お嫌いなお野菜はありませんか?ありましたら抜きます」「ソースはシーザーでしたが宜しいでしょうか?」ってわざわざ、商業店の店員さんみたく自分のことを低めてボクに聞いてきたの。まあ商業店なんだけどね。日本全国に散らばる他の「Subway」と全く同じだよ。そして出てきた「BLTサンド」はね、やっぱり日本全国の「Subway」と変わらない味だったよ。

先生あのね、せっかくそこにしか無い「キャンパスの味」を探すんだったら、もっと別の店を見つければよかったって思ったよ。だからね、もし京大の食堂を紹介するなら、タリーズコーヒー以外にするつもりだよ。(魚)

京都造形芸術大学


午後5時。今日は朝から何も食べていない。学食は人が多いしなじみの定食やもやっていない、かと言ってコンビにもなぁ…たまには違う所でご飯を食べたい。

銀閣寺道の手前、白川今出川の交差点から北に15分ほど歩くと、京都造形芸術大のキャンパスが見えてくる。逆三角形が特徴的の建物である。

日本画のレクチャーが行われている校舎の階段を上る。次第に食べ物の香りが漂ってくる。「こんなところに学食が?」3階に学食があった。黄色の壁面と井桁状に張り巡らされた蛍光灯はどこかほっとするものがある。

私の眼は「オムライス 290円」の貼り出しで止まった。早速注文してみる。「オムライスを…」「すみません。昼しかオーダーを受け付けていません」残念。気を取り直し学生カレーを注文する。これが何と190円。これまた学生の財布には良心的な価格である。山菜の煮物、フライドチキン、味噌汁を合わせて340円。味もなかなかである。

制作にいそしむ学生向けという事もあって平日の営業時間は夜8時までというのがうれしい。夜の学食は昼の賑やかさとは異なり、温かさがある。人もまばらだが「学食ってこんなに広かったっけ」という開放感を味わいたい人にはお勧めである。もし私がここの学生だったら毎日通っても飽きないだろうと思う。

お茶の苦さとカレーのまろやかさがまだ口に残る中、私はキャンパスを後にした。(如)

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