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学生証ICカード化、来春から 生協の組合員証機能も

2009.12.20

京都大学は大学に在籍する学生(科目等履修生、聴講生、特別研究学生などの非正規生を除く)の学生証を来春からICカード化する方針であることが分かった。また生協の組合員証も機能を統合するという。(魚)

京都大学の学生証は現在磁気ストライプ方式を採用しているが、これは改造が比較的簡単でありセキュリティ面での危険性が高かったという。また証明書の自動発行機でもタッチパネルに学生番号とパスワードを打ち込めば発行が可能なシステムな為、学生番号とパスワードが判かれば本人以外の者が勝手に証明書を発行できる状態だった。来年度以降はICチップ認証に切り替え、そうした成り済ましを防ぐという。

更に現在は部局や建物ごとに規格がバラバラな大学建物、部屋への入退館管理システムだが、新学生証のICチップ認証を使用した同一のシステムを導入することにより、経費節減が可能となる。ただし、実際にICカードの認証システムを導入するかは部局の判断に任せるという。

この方針を受け、京大生協では現在の生協組合員証の機能を、来年度から新学生証のICチップに統合することを既に決めている。これまで読み取り機に組合員証を差し込むカタチだった電子マネーの支払いが、学生証をかざすだけで行えるようになりレジでの支払いがスピーディーになることが見込めるそう。

一方で図書館機構では、附属図書館は入館ゲート、図書自動貸出の各システムについて、ICチップと磁気ストライプ両方に対応可能な機器に変更予定であり、他の図書館・室では引き続き現行の体制を維持するが、今後器材を更新する際にはICチップに対応したものを導入する意向だそうだ。

その他の変更点として、これまで無料だった学生証再発行が、ICチップ型に切り替え後は1200~1500円ほど掛かるようになる。従来の学生証に比べ高機能になるぶん発行費用がかさむのも一因だが、何度も安易に再発行を申請する学生がおり、IC学生証の保持は重大な事だとの自覚を持って欲しいとのこと。もし、紛失した場合、これまで以上にセキュリティ面の影響があるものなので取り扱いには注意が必要になる。

新しいIC学生証は、来年の2月頃から交付される予定。特に大きな変化が起こるわけではないが、他大学では授業の出欠確認など様々な用途に使われる例もあり、大学の今後に影響をもたらす可能性を持った出来事であると言える。