習合性からみる日本宗教史 サロントークひらかれる(2009.11.16)

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今月10日、時計台記念館サロンにて、第55回京大サロントーク「神と仏の精神史」が開かれた。講師は心の未来研究センター教授の鎌田東二氏。宗教哲学、民俗学が専門である。習合性の観点から日本の宗教史を捉えることを大きなテーマに、1時間半の講演を行った。

日本には古来より神道という固有の信仰があったが、6世紀に仏教が伝来した。ここで神仏習合が起こるわけだが、鎌田氏はこの日本独特の現象を日本列島の地質・地理学的習合性をもとに説明する。日本列島はユーラシアプレート、北米プレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートの4枚のプレートの境界線上にある。また黒潮、対馬海流、親潮、リマン海流と4つの海流に囲まれている。さらに植生も低地の照葉樹林帯、高地のブナ・ナラ樹林帯が共存しており、文化的にも半島的要素、大陸的要素、南島的要素が複合している。鎌田氏はこれらの習合性が、生命の力と知恵を畏怖・畏敬する日本独特の宗教文化をつくり出したとする。また同氏は「古事記」と「日本書紀」の形式的な違いにも注目する。「古事記」が1つの物語として読めるのに対して、「日本書紀」は一つの事柄について複数の伝承が併記されているという特徴を持っている。鎌田氏は、この特徴は日本の習合的な文化構造を表しているのではないかと語る。さらに、神仏習合の前段階として「神神習合」という概念を提示した。つまり、日本人は仏教が伝わる前から数多く存在する神を習合しており、「仏」も八百万の神の1人として受け入れていたのだ。講演中に鎌田氏は、日本の神仏諸宗混合をポジティブに捉えなおし、生態智(自然への畏怖・畏敬を暮らしの中に生かすこと)として神道を考えるべきだとした。そして結びに、京大に身近な神仏習合の例として吉田神社を挙げ、講演を締めくくった。

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