アホウドリ再生の道 第2回iCeMSセミナー(2009.11.01)

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10月17日、京都大学物質-細胞統合システム拠点(iCeMs)で「インテグリティセミナーシリーズ~科学者の生き方と責任~」の第2回目である「日本の鳥だから、ぼくがやらなければ・アホウドリ再生への道」と題されたセミナーが行われた。講師は長谷川博・東邦大理学部教授。長谷川氏はアホウドリ保護活動の第一人者である。1976年、アホウドリは絶滅危惧種であり個体数は200羽程度だった。長谷川博氏は保護活動のためアホウドリのコロニー(居住区)のある鳥島に通い、保全のための研究を始めた。様々な調査や活動を通じてアホウドリの保全に尽力し、その甲斐あって2008年にはアホウドリの個体数が2000羽を超えた。

講演は保護活動の経緯や内容が中心。まず、アホウドリは1900年代初頭に羽毛狙いの乱獲にあい頭数を急激に減らしたことを述べた。細々と生き延びた200頭にしても、コロニーが火山灰の堆積や植生の後退によって急斜面化し、卵の孵化や雛鳥の成育に適さない地形での生活を余儀なくされたという。そこで植物を植えて土壌を安定化させる作業が行われた1980年代。1990年代には既存コロニーの更なる安定化と、より生存に適した土地への新コロニー誘致が行われた。既存コロニーの安定化は丸太や土留めの打ち込みや土砂の撤去作業によりなされた。また、アホウドリを新コロニーの予定地へ誘致するために精巧なアホウドリの模型の設置やアホウドリの鳴き声をスピーカーから流す戦略がとられた。その戦略が的中し、新コロニーの予定地に巣を作るアホウドリの頭数が徐々に増え始め、新たなコロニーとして定着した。

講演後に参加者からの質疑応答の時間が設けられた。アホウドリの人工繁殖の可能性、保護活動中に苦労した点、といった活動そのものに対する質問や、アホウドリの餌、絶滅した場合の生態系への影響、天敵や飛行法などのアホウドリの生態そのものに対する質問などが寄せられた。

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