伊藤清名誉教授がガウス賞を受賞

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2006年8月22日からマドリードで行われた国際数学者会議(ICM)で、数学者で京都大学名誉教授の伊藤清博士が第1回ガウス賞を受賞した。ガウス賞 は、数学界にとどまらず他分野にまで多大な影響を与える業績を残した数学者を顕彰するもので、国際数学連合とドイツ数学者連合によって新設された。今回の 受賞は、確率微分方程式論をはじめとする博士の確率解析における業績と、それらが物理学、工学、生物学、経済学の諸分野の発展に果たした貢献が評価され た。博士は1952年から79年まで京都大学で教鞭を執り、その後プリンストン高等研究所研究員、オールフス大学、コーネル大学教授を経た後、76年から 79年まで京都大学数理解析研究所長を務めた。内閣統計局に勤務していた1942年、確率積分の概念を基礎から構築し、確率微分方程式論を創始した。
確率微分方程式は、ブラウン運動のような偶然性に支配される運動の連続的な軌跡を記述する運動方程式であり、通常の運動方程式にランダムな力を表す項が 加わったような形になっている。この項に対して確率積分がなされ、その計算の際に不可欠な公式が「伊藤の公式」である。この理論により、確率解析は飛躍的 な発展を遂げた。また、多くの研究者によって数学以外の分野にも応用されていった。現在、確率解析は集団遺伝学や確率制御理論など偶然性をともなう現象の 解析において広く応用されている。なかでも最もっとももよく用いられるのが、数理ファイナンスの分野だ。市場価格が変動するさまを記述し,ランダムな市場 の動きに対して,リスクの少ない方法を考えるのが数理ファイナンスの重要な目的だが、そのために確率解析は不可欠なものになっている。実際、金融の現場で 「伊藤の公式」はよく知られている。もっとも、博士自身は、純粋数学として確率解析の研究をしていたようだ。健康上の都合により欠席したICMの開会セレ モニーにも「私の確率解析の研究は純粋数学においてのものであり、だからこそ数学の応用に対して与えられるガウス賞に選ばれたことは本当に驚きであり、ま た心から喜ばしくおもいます。」と英語のコメントを寄せている。

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