4配位の鉄原子でのスピン転移に成功 磁気記録材料や磁気スイッチ素子への可能性(2009.08.01)

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陰山洋 准教授と吉村一良 教授(ともに理学研究科化学専攻)、高野幹夫 教授(物質―細胞統合システム拠点)らは国内外の他大学・研究所のグループとともに共同研究を行い、二酸化鉄ストロンチウムという鉄の酸化物において、4配位(結合の手が4本)の鉄原子のスピン状態(磁性)を転移(変換)させることに成功した。

これまでスピン転移は6配位(結合の手が6本)の金属原子に限って知られていたが、結合の手が少ない4配位の金属原子でのスピン転移が観測されたのは世界で初めて。

この二酸化鉄ストロンチウムは1つの平面上に1つの鉄原子が4つの酸素原子に囲まれるという構造をとる。一般的な大気(常温・常圧)のもとでは物質が全体として磁石にならず(反強磁性体)、電気を通しにくい状態である。

しかし今回の研究では、室温のまま極めて強い圧力をかけると、スピン転移が起こって物質全体が磁石(強磁性体)で電気をよく通す状態になった。つまり、二酸化鉄ストロンチウムが磁気を用いたコンピュータ装置(デバイス)などに応用することのできる、ハーフメタルという状態になることが分かった。

また二酸化鉄ストロンチウムのスピン転移のメカニズムが、現在までに知られている金属原子のスピン転移の中でも特殊であり、特異なスピン状態があると予言された。

この技術の応用や比較的安価な鉄の使用によって、磁気記録材料や磁気スイッチ素子といった磁気デバイスを革新する可能性があるという。この共同研究は、英科学誌『ネイチャー・ケミストリー』に「四配位の鉄酸化物におけるスピン転移」という論文で発表された。

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