学術映像コンペ 京大で開催 学術研究における映像の可能性とは(2009.06.16)

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京都大学総合博物館で今夏、学術研究における映像の意義を提起する試みとして「学術映像コンペティション」が行われる。主催は京大の多分野の研究者らが組織する学術映像コンペティション実行委員会(委員長 伊藤公雄文学研究科教授)。内外から学術に寄与しうる映像作品群を公募し、実行委員会が入選作をえらぶ。最優秀作品には学術映像大賞が贈られる。副賞は30万円。

総合博物館で8月から開催予定の「総合博物館映像博2009」と連動した企画で、入選した映像作品は「映像博09」で11月以降に上映されるほか、12月上旬に行われる京都大学国際シンポジウム「学術研究における映像実践の最前線」で議論の対象となる。国内の大学が映像コンペを実施するのはこの企画が初。映像博、コンぺ、国際シンポの三企画が連携して、学術研究における映像の可能性を広げる試みを繰り広げる。

 コンぺ公募の対象は「文理を問わず学術研究に寄与するあらゆるジャンルの映像」。宇宙や自然、生物を対象とした映像、民族誌・人類学映画、社会・文化研究の対象となるドキュメンタリー映画、医学・医療、心理学の映像など幅広い。新たな試みだけに「学術に寄与する」こと以外、対象を狭めることはせず、作者の年齢や国籍も問わない。「学術研究における資料的価値を意識しているものや、学術研究の成果発信・表現を意図しているもの。学術研究の理論に対する貢献を意図しているもの、学術研究に方法論的に貢献することを意図しているもの」を基準に判断するとしている。

実行委は企画趣旨として、多分野の研究者同士が研究成果を共有するメディアとして映像が機能することで、細分化した研究分野がつながれ、新たな学術領域を開拓する可能性をもつのではないか、と問いかける。さらに、その表現力により学術研究を一般社会につなげる役割も期待したいとしている。

実行委員長の伊藤教授は「メデイア社会が急速に深化しつつある現代、私たちのものの見方や考え方にとって、ヴィジュアル・イメージは大きな影響力をもっている。また、メデイア・テクノロジーの発達によって、映像を撮影することが比較的簡単にできるようになっている。こうした流れのなかで、学術分野においても、映像を研究資料や教材に使用する動きが国際的に急速に進みつつある。とはいえ、映像の学術利用は、まだまだ試行錯誤の段階。自然科学から人文社会科学まで、さまざまな分野を横断する形で実施される今回の映像コンペを機会に、映像の学術的活用の方法についても議論を深めていければ、と考えている。」と、企画の意義を語る。

応募方法はオンラインエントリーで登録(〆切8月31日)したうえで、映像とその学術的意義を説明するレポートを提出する(〆切9月15日)。

実行委員会事務局の荒井一寛さん(アジア・アフリカ地域研究研究科)は「公募段階で可能性を狭めず、広く提起を求めていく企画ので、ぜひ学部生の方たちにもぜひ応募してほしい」と話す。

また、コンペティションと平行して、8月5日から12月10日にかけて、総合博物館では「総合博物館学術映像博2009」が開催される。京大内外の人類学、天文学などの研究者が、学術資料として蓄積した映像を公開するほか、09年山形ドキュメンタリー映画祭(10月15日~)の入選作品の上映が企画されている。コンペティションで提起された「学術映像」とそれ以外の映像の違いは何なのか、という問いを実践的に提示していく試みだ。

さらに、12月には京都大学国際シンポジウム「学術研究における映像実践の最前線」が開催される。コンペティション、映像博の総括的位置づけで、文理を横断して複数のセッションが企画され、映像の学術的な実践方法について議論が深められる。

映像コンペティション企画などの詳細は、総合博物館学術映像博2009・映像コンペティション実行委員会HP(http://www.museum.kyoto-u.ac.jp/japanese/event/competition_jp/index.html)

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