『死の哲学』の到達点など論じる 西田・田辺記念講演会(2009.06.16)

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6月6日、総合人間学部棟1102教室で西田・田辺記念講演会が開催された。日本の近代哲学に大きな足跡を残し、京都学派を作り上げた西田幾多郎と、その哲学を批判的に継承した田辺元の業績を偲び、両人の哲学への理解を深めるのが目的。

講師は大阪大学名誉教授で宗教哲学専攻の細谷昌志氏と、京都大学名誉教授で精神病理学者の木村敏氏。細谷氏は田辺の最後の著作『マラルメ覚書』への理解を通して、田辺の『死の哲学』の一つの到達点を論じた。一方の木村氏は、西田哲学の自覚論と統合失調症の症例との共通点をもとに、精神医学からの西田哲学へのアプローチを示した。講演後の質疑応答では講演で触れられなかった点まで議論が及び、白熱した展開になった。

『マラルメ覚書』は、19世紀の象徴派詩人ステファヌ・マラルメの散文『イジチュール』と象徴詩『双賽一擲』についての考察を行った著書。田辺は昭和33年の小論文『メメント・モリ』で初めて『死の哲学』を論じたが、『マラルメ覚書』では『イジチュール』に『生の哲学』の行き詰まりを、『双賽一擲』に『死の哲学』をそれぞれ代理させ、後者は前者を克服することによって現れるとした。『死の哲学』は、田辺が晩年に到達した宗教哲学で、生者と死者の実存共同を唱えるもの。そこでは死者は死の後も他者との実存共同の中に生き続け、永遠に働くとされる。

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