新吉田寮めぐり予備折衝 寮自治会、「新A棟」に前向き(2009.05.16)

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5月12日学生センターにて西村周三副学長、川添信介第三小委員長らと吉田寮生らが、先月20日に大学当局から提示された「吉田南構内最南部再整備案」のうち、「新吉田寮A棟(以下新A棟)」(※)について折衝した。寮自治会側も新A棟の建設に前向きな姿勢を見せた。

寮自治会側は新寮の条件にもよるが基本的に定員増などは望ましいことである、として新A棟新築に前向きな姿勢を見せた。その上で前回の説明会で西村副学長が意欲を見せた「吉田国際交流拠点施設」と新A棟との合築案について、①合築案で行くには何時までに自治会と大学当局の合意が必要なのか②新A棟が完成した際現吉田寮生は全員が移らなければならないのか、を質問した。

西村副学長は、新A棟合築案策定には6月上旬までの合意が必要との見方を示した。その上で5月27日に文部科学省に行き、京都大学における寮のあり方と、大まかな新吉田寮の方針案を説明したいと語った。また、新寮完成後は「すぐに、とは言わないが現吉田寮生にはやはり移っていただきたい」と話した。今後は18日にも折衝をし、寄宿料や共用スペースなど新寮の具体的な形態を話し合う見込み。自治会側は現吉田寮のあり方については、新A棟とは別に当局と話し合いを進める方針だという。
 

課題突きつけられた寮生


新寮のあり方をめぐる話し合いで、最も難航が予想されるのが大学当局・寮生間の考えの相違の大きい「在寮期間」である。西村副学長側は今回の折衝でも、出来るだけ多くの学生が寮生活を送れるよう在寮期間は原則的に2年とし、自治会が推薦する者はそれ以降も一定期間住めるようにするのが良いのではないか、と提案した。

一方吉田寮側は、現時点で自治会としての統一見解は示していないものの、出席した寮生からは「現在の再入寮選考制度でも柔軟な対応は出来る。なぜ一律に数字で期間を切る必要があるのかが分からない」といった意見が多く見られた。

西村副学長が寮生側に問うたのは「長期間寮に住み続けることの意義は何なのか」。副学長は寮生活の意義について、単に経済面の支援だけではないという見解を示した。その上で、留学生の国際交流施設を例に挙げ「見知らぬ土地に来た学生同士が、新しい環境に慣れるまでの補助という『場』として寮で共同生活を営む。その上で新しい環境に慣れ、人間関係も形成されればもう自立できる、ということで退寮させる。出来るだけ多くの新入生にそういった体験をさせるために年限を区切る、始め在寮期間は一年でよいのではないかと思っていた」と話した。

しかし昨秋以来寮生らと交渉を続ける中で、寮という場に長く住み続け共同生活を営むことには、それ以上の意義があるのではないかと感じたという。それで現時点では二年は住んでもよいのではと考えを変えたという。

副学長は「寮生活を長く営むことの意義、そこにおける自治の意義というものを、外にも通じる言葉で教えて欲しい。寮のエトスというか精神を対外的に訴えるための材料が欲しい。それを示してくれて、私が納得できるものであるならば、在寮期間はもっと長くても無制限でも良い、そうするべきだと訴えていきたい」と述べた。

この根源的な問い、なぜ寮に住み続けることが良いのか、にどう答えるのか。寮生は課題を突き付けられたのではないのだろうか。

総長 先走る?


先月25日付の産経新聞にて松本紘総長が吉田寮について「(立て替えの)話し合いはかなり前進している」と述べたとする記事が掲載された。しかし話し合いどころか、実際には24日に初の説明会がなされたばかり。これについて吉田寮自治会側は「一方的な発表は双方の信頼関係を損なうものであるし、提案がなされたばかりなのに、かなり話が進んでいる、とは意味が分からない」として、発言の経緯と総長の真意を明らかにするよう27日付で公開質問状を提出した。これに対し西村副学長は、「私が総長に話をする中で情報の伝達がうまくいかなかった」とし、不信感をもたらしたことを謝罪した。


※新吉田寮A棟
1996年に吉田寮食堂の一部が火災焼失した後、残った広場「焼け跡」=学生の自主活動に現在利用されている=に新吉田寮A棟を建築することが大学当局から提示されている。現吉田寮に居住する全寮生が移転できるよう、現吉田寮の定員147名より新A棟の収容人数を多くする。西村副学長は「一定の比率で留学生も居住できるとし、北側テニスコートに建設予定の国際交流拠点と新A棟を合築ということにすれば、国の予算を使える。国際交流拠点と新A棟は一体に整備を進めたい」としている。

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