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関経連に入会 国立大法人で初

2009.05.16

京都大学は11日、大阪大学・神戸大学とともに社団法人関西経済連合会(以下関経連)へ入会したと発表した。国立大学法人の入会は初めて。京大は今後、大学の研究成果を関西の企業等にひろく公表し、社会貢献を図りたいとしている。

京大は07年7月にそれまで「国際イノベーション機構」などが中心となっていた産官学連携に関する組織体制を見直し「産官学連携本部」を設置。積極的連携の一環として昨秋には関経連、経団連等を対象に産学連携の現状についての説明会をひらいたが、そこで「国立大学との連携は敷居が高いというイメージがある」「京大の産学連携がみえにくい」との声があがった。

その後今年に入ってから関経連から入会の提案があり、1月から3月の産官学連携本部での検討で入会の方針が決定され、役員会での審議を経て学内の意志決定がなされ、5月11日開催の関経連理事会で入会が承認された。

産官学連携本部は「今のところ反対意見はない」としているが、学内部局長会議での検討は経ていない。

大阪大学・神戸大学については関経連側から働きかけがあったとみられる、という。

入会の利点について産官学連携本部長の牧野圭祐氏は「企業のトップの考えていることを直に聞く機会が増え、産官学連携にとってプラスとなるような情報の共有ができる」と話し、研究推進部産官学連携課長の鈴木晴治氏は「大学の研究成果公表を通じた学生の獲得、企業の求める人材と大学教育が目指すところの人材との間の齟齬の是正なども期待される」とする。

関経連は1946年に設立された総合経済団体で、国際会議・懇談会の開催、国への提言などを行うほか、会員間での講演会、説明会等を開催している。現在、会員は関西の企業を主として約800団体。学校法人でも関西大学、立命館大学、早稲田大学などが会員となっている。