益川名誉教授来訪、ノーベル賞記念講演(2009.05.16)

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5月8日、百周年時計台記念館で益川敏英名誉教授のノーベル物理学賞受賞記念講演会が開かれた。講演は新入生などを対象に、「科学を発展させる力」と題して、科学を学ぶ姿勢を語った。会場には多くの学生が集まったが、冒頭に行われた松本紘総長の挨拶時には、クスノキ前で無期限ストライキを決行する職員組合員が乱入するなど、多少の混乱も見られた。

益川氏は、若者が科学の発展の原動力になるには、まず、「自由」とは何か考えることから始めるべきだと語り、若い頃に読んだヘーゲルを引用し自由とは「必然性の洞察」だとすることで、科学の役割はより大きな思考の枠組みを人類に提供することにあると述べた。真空管からトランジスタの発展や、エジソンの作った会社が直流から交流の電気概念の変化に対応できず倒産した歴史より、基礎的な知識がないと現代社会で生きていけないことを語る一方、あまりに肥大化した科学の体系は人間の科学からの疎外をもたらしたとする。その上で、科学的精神は「肯定のための批判精神」であり、オカルト現象のように科学的認識の不足を逆に楽しむような姿勢は「心の貧困さを嘆きます」と強く非難。「科学を信じてなお楽しめるものはたくさんあります。だから、みなさんも信じて下さい」と語った。

科学の世界ではわからないことはわからないと平気で答え、より広い概念で適用限界を広げていく。まだまだわからないことはたくさんあり、「みなさんが科学の世界に飛び込んできてもまだまだ大丈夫ですよ」と語った。ただし、どんな学問・知識にもトレーニングが必要であり、最近訪れた科学博物館で来館していた少年たちと実験を楽しんだとき、「みなさんがやったのは「科学遊び」にすぎないから、基礎から勉強してより深い世界に接してください」と言ったら白い目で見られたというエピソードも披露。生みの苦しみを表す「勉強」という言葉でなく、熱い思いが込められた”study”という言葉の方を推奨し、複雑な受験制度に惑わされず、学生も教員もstudyに打ち込める環境の構築を主張し、講演を終えた。


《本紙に写真掲載》

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