教員評価制度 「効果的な活用」提案 教育学研究科院生、研究結果まとめる(2009.04.16)

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静岡県教育委員会から1年間、京大の教育学研究科教育行政学研究室へ研究員として派遣されていた静岡県立三ヶ日高等学校教諭の原田直樹さんが4月1日、研究結果を公表した。テーマは「有機的な学校組織構築のための教員評価制度の効果的活用について」。同研究では近年全国的に導入のすすんでいる教員評価制度について、教育委員会および高等学校へのアンケート調査をとおしてその課題を整理、3つの提言をまとめた。

アンケートは全国の都道府県・政令市64の教育委員会および静岡・島根・大阪・宮崎の4府県の公立高等学校教員700人を対象に昨年7~10月にかけて行われ、うちそれぞれ49の教委、536人の教員から回答があった。調査では前者が教員評価制度の実施状況や評価システムの形体について、後者が教員評価前後での「目標」の持ち方、制度のあり方について意識調査を行っている。改めて教員評価制度に「賛成か反対か」を問うのではなく、ほとんどの自治体で制度が導入されている現状をふまえ、制度を有効活用し、より高い教育効果を生み出すべく教育組織の有機的な連携構築に結びつける方策を模索した、としている。

各教委への調査では制度の定着を図るべくそれぞれの自治体で工夫された制度設計がなされている一方で踏み込んだ取り組みは限られている、と課題をまとめた。教員への調査からは制度自体への意見として教員の目標管理制度における目標設定の困難さを訴える声がある一方で肯定的な意見として「やるべきこと・課題・役割が明確になる」などを挙げ、制度への賛否は分かれることを示した。

その結果をふまえ「目標管理」「勤務評価「給与体系」それぞれについて「学校の組織レベルのチームワーク強化及び教員個人レベルでの資質能力の向上に特化した目標管理制度」「多面評価の積極的な導入や組織への貢献等も考慮するとともにコンピテンシーを活用するなど、従来の勤務評定の課題を改善した評価体系のあり方の提示」「従来の年功序列型の給与体系ではなく個々の教員の職務に着目し、その職責と努力に報いるかたちで至急される透明性・公平性を担保した『役割給』の導入」を提案した。


同研究で扱われている教員評価制度および目標管理制度について法的な根拠はないが、近年の公務員制度改革の流れの中で近年多くの自治体で導入がすすんでいる。教育行政学研究室教授の高見氏は「2003年度から2005年度の3年間で、文科省が各教育委員会に調査・研究を委嘱した。おそらくその3年間で各自治体が他の状況をみながら導入をすすめていったのだろう」と話す。日教組などは各自治体で制度そのものに強く反対しているという。

高見氏はまた、今回の研究の意義に関して「東京都や広島市など、比較的早くから教員評価制度を取り入れている地域では先行研究があるものの、後進的なところもふまえて最近の状況について全国を網羅し、しかも評価制度だけでなくこれを学校経営の中に組み込みどう活用するかを新しい視点から提示している」と述べた。

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